三十八話 ページ38
呼びなれない名前を呼ぶと、すぐにAは顔をこちらに向ける。
俺を映すその瞳は、微かに潤んでいるようだ。
今にも泣き出しそうな悲しい表情をしているAは、俺の次の言葉を待つかのようにギュッと口を結んでいる。
上手く言葉を選べない。
急に名前を呼ぶのは変だったかもしれない。
でも、今更そんな事を気にしていられないのも事実。
落ち着け、大丈夫だ。
Aの方へと足を進める。
もう逃げない、そう決めたんだ。
shp｢A、｣
shp｢……ごめん…俺、ずっと、謝りたかってん……｣
許してほしいなんて言わない。
そのために謝ってる訳じゃないから。
視界がぼやけて、目の前にいるAの表情が分からない。
shp｢……ホンマに、すまんかったｯ……！｣
かっこいいセリフなんて、今の俺には似合わないだろうな。
ボロボロと雫を流しながら、掠れた声で謝り続ける。
深く頭を下げると、涙が重力に逆らえず地面に零れていった。
ごめん。
何度も苦しい思いをさせて、俺はずっと知らないフリをしてた。
なのに、なのに、
『……顔、上げてよ』
どうして君は、そんなにも優しいんだ。
──────────────────
これから少し会話文が多くなります！
ご了承くださいm(_ _)m
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瑛南(プロフ) - 俎板さん» このお話で泣いていただけて嬉しいです！コメントありがとうございました、これからもよろしくお願いします！ (2021年10月3日 19時) (
レス) id: 2c675d9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
瑛南(プロフ) - すーさんさん» ありがとうございます！そんなお話を書きたいと思っていたので、好みに合ったのなら良かったです！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2021年10月3日 19時) (レス) id: 2c675d9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
瑛南(プロフ) - 白夜ちんさん» ありがとうございます！そんな気持ちでお話を読んでいただけて嬉しい限りです！これからもよろしくお願いします！ (2021年10月3日 19時) (レス) id: 2c675d9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
瑛南(プロフ) - ノアさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！ (2021年10月3日 19時) (レス) id: 2c675d9ba5 (このIDを非表示/違反報告)
俎板(プロフ) - 幾度も涙を流しながら読ませて頂きました。これからも応援してます！ (2021年10月3日 12時) (レス) @page45 id: 53028413f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瑛南 | 作成日時：2021年4月18日 17時
