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グラサンと眼鏡7 ページ7

ーーーAーーー




佐智雄様にせっかくお会いできたのに…


一瞬で夢の瞬間が終わってしまった。



でもまぁ、一歩前進。


電話、かかってくるかなー。


私は自分の番号を紙に書いてきていた。


ちゃんと本人に渡したかったけど…


てか、あのグラサン、ちゃんと渡してくれんのかな…




廊下を歩きながらそんな事を思い、ハッとして振り返る。




『あ!』


私がそう言うと、

10メートルくらい先で、金髪が呆れ顔でこっちを観ていた。



「なに?」



『こないだ2円たりてなかったから、立て替えた。』



「は?」


グラサンをずらし、私をまじまじと見る金髪。



『だから、絶対、それ渡してね。じゃ。』



「おい、勝手な事…」



2円はもういいや。


よーし帰ろ。



ーー




鳳仙からうちまでは電車で30分くらい。


んー、結構かかる。



自宅はそこまで治安の良くない場所にあった。


まぁ、そこまでお金持ちではないし…



一応、塾は小学校高学年からずっと行かせてくれていた。


両親はいわゆる不良あがりで、


娘にはそうなって欲しくないって願いがあったから。





おかげで成績は優秀な方。




清邦にも行けたし。





でも、この制服でこの辺通るのやなんだよな…



八木高の近くを通らないと行けないし…




すると、制服が乱れた3人の男が向こうからやってきた。




うわ…やだな…


そう思って目線を外そうとしたけど、



あれっと思い返し、二度見する。




真ん中で、つんとして二人を従えている。



その男は、めちゃくちゃ見覚えのある人だった。








『…洋介?』




私がそう言うと、眼鏡が立ち止まった。



私とバッチリ目が合うと、眼鏡をすっと抑える。




『やっぱり!洋介でしょ!覚えてる?あたし…』



めっちゃ懐かしい!


洋介はテンションが上がった私をチラッと確認し、


何も言わずに、また歩き出した。



へ?


隣の二人も「ん?」って顔してる。




『え?ちょっと!!無視!?』




私の横を、真顔で通り過ぎる洋介の腕を掴んだ。




『てか、こんなところで何してんの?』




洋介は、うざったそうに私を一瞥して、


前を見ながら答えた。




「関係ない。」



『え…』



すごく冷たく、低い声…



そして、二人に目を配り、私の元から去っていく。




昔の面影は、もうそこにはなかった。



私は左腕をさすり、その場に立ち尽くしていた。

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設定タグ:塩野瑛久 , 轟洋介 , ハイロー   
作品ジャンル:恋愛
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ななし(プロフ) - rriさん» ありがとうございます!更新遅くてごめんなさい。それでも読んでくださってすごく嬉しいです。ワーストの本編の続編を現在書いているので、そちらもお見せできる日が来たら、是非よろしくお願いいたします! (2020年1月13日 2時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
rri(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!最後まで更新していただきありがとうございました!!すごい好みな書かれ方だったのでまた新しい作品書かれる機会がありましたら、読ませていただきたいです!今回のお話もとっても面白かったです!!お疲れさまでした(^_^) (2020年1月12日 21時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 苺華さん» ご指摘ありがとうございます!ミスでした(;ω;) (2020年1月6日 19時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
苺華 - 初コメ失礼します!23話の何故か捕まってたはずの楓士雄の彼女って所は、佐智雄くんの彼女じゃないんですか…??勘違いだったらすみません!! (2020年1月6日 17時) (レス) id: 1128e57cc5 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - rriさん» めちゃめちゃ嬉しいですっ!ありがとうございます!!更新ノロマでごめんなさい。でも、完結させるぞっ!て気持ちになりました。どうか暖かく見守っていてください(^^)ありがとうございます! (2019年12月19日 2時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし | 作成日時:2019年12月1日 13時

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