グラサンと眼鏡6 ページ6
ーーー小田島ーーー
『はい。』
この女…
完全に俺を見ずに、ボソッと言い放たれる。
手だけつっぱね、
ちょっとどいて。と言わんばかりに。
こいつは、部屋の中に釘付け。
そして、あろうことか、
佐智雄に声をかけている。
『あのっ…、上田佐智雄さんですよね！』
そして、ささっと勝手に幹部の部屋に入っていった。
おいおい、まてまて。
頭おかしいんか？
『あの…以前、私、あなたに助けてもらって…三丁目の大通りを抜けた公園の前で…』
は？
てかなんだこの声の違い…
"お会計。"
こないだ言われた表情と声と、
全然ちげぇじゃねーか！
上田「…え、あー…」
佐智雄が真面目に思い出そうとしてる。
『あの時は、ありがとうございました。その…すごく、かっこよかったです。』
照れながら、耳に髪をかけ、
ニコッと表情を作る。
げ。
なんだこの女っ…
志田「お…」
仁川「お…」
その場に居合わせた志田と仁川が、鼻の下を伸ばす。
「おいおい……」
この女、作ってんぞー。
そう言おうと前に出ようとすると、
だーっとサバカンが戻ってきて、俺の口を閉ざした。
サバ「佐智雄さんっ！T高のやつらが…」
ピクッと耳を動かし、佐智男が立ち上がる。
そして、何も言わずにこっちの方に歩いてきた。
『あ…あの…』
上田「こんなとこに来るんじゃない。」
佐智雄は女の前を通り過ぎるときに、そう言って、
サバカンも追い越して先へ進む。
サバ「佐智男さんっ！」
上田「俺一人で行く。ついてくんなよ？」
はぁ…
そーなるわな。
佐智雄のことは大体わかる。
『え、ちょ…』
俺は、佐智雄を追いかけようとする女の腕を掴んだ。
「やーめ。」
『ちょっとっ…あーーもう！』
女は佐智雄が見えなくなって、
眉間にシワを寄せる。
「あんた帰れば？」
俺は、帰った帰った。と、しっし、と腕を振った。
すると、女は死んだ魚の目みたいに、俺を見た。
『もう、あんたでいーや。』
ん？
何が？
なにやらポケットから紙を取り出している。
『佐智雄様に渡しといて。』
「は？」
『じゃ。』
俺に紙を無理やり渡す。
「おいっ…」
そして、くるっと回れ右をし、来た道を戻っていく。
うーわ。
やべぇやつ…
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ななし(プロフ) - rriさん» ありがとうございます！更新遅くてごめんなさい。それでも読んでくださってすごく嬉しいです。ワーストの本編の続編を現在書いているので、そちらもお見せできる日が来たら、是非よろしくお願いいたします！ (2020年1月13日 2時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
rri(プロフ) - 完結おめでとうございます！！！最後まで更新していただきありがとうございました！！すごい好みな書かれ方だったのでまた新しい作品書かれる機会がありましたら、読ませていただきたいです！今回のお話もとっても面白かったです！！お疲れさまでした(^_^) (2020年1月12日 21時) (レス) id: 476bb9a440 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 苺華さん» ご指摘ありがとうございます！ミスでした(;ω;) (2020年1月6日 19時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
苺華 - 初コメ失礼します！２３話の何故か捕まってたはずの楓士雄の彼女って所は、佐智雄くんの彼女じゃないんですか…？？勘違いだったらすみません！！ (2020年1月6日 17時) (レス) id: 1128e57cc5 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - rriさん» めちゃめちゃ嬉しいですっ！ありがとうございます！！更新ノロマでごめんなさい。でも、完結させるぞっ！て気持ちになりました。どうか暖かく見守っていてください(^^)ありがとうございます！ (2019年12月19日 2時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年12月1日 13時
