グラサンと眼鏡 中編ーHiGH&LOW THE WORST

グラサンと眼鏡18 ページ18

ーーーAーーー



よしよし。


洋介は鬼邪高生だし、


なんかめっちゃ強くなってるし、



これで安心！




私は連絡先を交換して、ほい。と携帯を返した。




洋介は、無言のまま、表情を崩さない。



『何？』



私がそう言うと、洋介はすっと前髪を後ろに払った。



『22時に終わるから。』




「…誰が行くって言った？」




『じゃ、またね！連絡するー！』





「おいっ…」






この感じ。


昔もそうだった。


私が一方的に騒いで、洋介はいつも呆れてる。



でも、なんだかんだで許してくれるんだよね。



今回も、多分折れてくれる。



だって、この前の表情と全然違う。




私は手を振って、ルンルンと家へと帰った。





お風呂に入り、寝る前に携帯を開く。


すると、着信が5件。




小田島有剣…




こいつ…



私は電話をかけ直した。



「おせーよ、何回かけさせんだ？」





相変わらずの王様気取り。


もう、あんたのせいでどんな危ない目にあったか…





『もう、あんたとは関わらないから！』




「は？」



『今日、あんたがお掃除したやつらに襲われました。危ないったらありゃしない。』


冷たく言い放ったから、

またキレられるだろーなと思っていたら、


グラサンは「え…」と言ってから、しばらく黙っていた。






「…お前、大丈夫だったんか？」




『え？まぁ、助けてもらったから大丈夫だったけど。』




「…そっか。」



なんなんだ…



急に大人しくなって…



逆に怖いんですけど…


さっさと用件だけ済ませよ。



『だから、もう連絡すんのやめてよね！じゃーね！』



プツッと電話を切り、私はベッドに寝転がった。




一方的に切ったから、若干、罪悪感が…



いや、流石にないか。


だって、あいつのせいだもん。



でも、そのおかげで洋介とまた繋がれた。




それだけは感謝してやろうかな…



私はそのまま目を瞑った。



ーー





次の日。



コンビニで働き始めて結構経ったな。



鳳仙の人達と顔見知りになり、私に絡んでくるヤンキーもほとんどいなくなっていた。



意外とこの中は安全。

今日も坊主達はニコニコして挨拶してくれるし。



髪がある人はサバカンさんしか来ないけど。




時計を見る。



そろそろ上がる時間だった。




店長「おつかれー。」




店長が夜勤出勤で交代しに、店舗へやってきた。




『おつかれさまです。』




私は着替えを済ませ、店を出た。

グラサンと眼鏡19→←グラサンと眼鏡17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す