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ーーーAーーー
『なんでって…それは…』
村山にそう聞かれて、一瞬戸惑った。
上田のことが頭によぎり、複雑な気持ちになる。
強引に恋人にされ、大嫌いだったけど、
でも、あいつは…
私は村山のアパートの前まで来て立ち止まった。
『あいつら、殺し屋集団ってのは本当だけど、
…クスリやるようには思えない。』
「あ、やっぱ知ってんじゃん。」
村山はほらね、と口を尖らせ、
そしてドアの前まで誘導し、扉を開いた。
…懐かしい匂いがする。
そして、部屋に入り、村山の隣に座った。
『たまたまだよ。この間ね…』
そう言って、私はこの間の出来事を話した。
村山は、まじかよ…と私の行動にドン引きしてたけど。
『だから、四天王もだけど、頭の上田もレッドラムなんてやらないよ。』
「そっか…」
村山は神妙な面持ちで顎をさする。
そして、あ。と閃いた。
「てか、バイト先は？」
『え？』
「来るんだろ？客として。」
あ…
確かに。
「俺も偵察しにいく。どこ？」
この街で公害を引き起こしたクスリ。
村山は絶対に許さないはず。
私は迷うことなく、店の名前と場所を伝えた。
「おし。んじゃ、こっちはとりあえず解決と。」
村山がふぅ…と真面目な顔を解いた。
そして、いきなりぐっと私に顔を寄せる。
黒い瞳に吸い込まれそうになり、ソファの角に背中をぶつけた。
「んで、こっからが本題。」
『え…』
村山が私に覆いかぶさる勢いで身体を傾けてくる。
ちょ、ちょっと…
もう、後退り出来ないんですけど…
「 花 岡 楓 士 雄。 」
…！！
楓士雄の名前が出てきて、瞬時に理解する。
村山が聞きたいこと。
『あ…その…』
陸に上がった魚のように、息ができない。
「男の家だったなんて、聞いてねぇーぞ。」
『そ、それは…』
やましい事なんて全くない。
てか、この体勢のほうがよっぽど…
私はそれ以上声を出せなかった。
村山の顔が数センチ上にあったから。
私は耐えられず、ぎゅっと目を瞑った。
すると、ソファがふわっと軽くなり、村山が体勢を元に戻したのに気がつく。
恐る恐る目をあけると、村山はもう座っていて、下を向いていた。
「…なんだよ。」
え…
なんか、
さっきまでの威勢が全くない…
私は見えなくなった村山の目を下から覗いた。
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ななし(プロフ) - maschera0411さん» みなさまコメントありがとうございます！続編、書きはじめちゃいました！よろしくお願いしますっ！ (2020年1月13日 16時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
maschera0411(プロフ) - 楽しく拝見させていただいてます。続編……楽しみにしてますね (2019年12月5日 14時) (レス) id: 0853a8ef5d (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - つばきさん» 素敵なコメントありがとうございます！とても嬉しいです。私も最後まで読んでいただけて幸せです。今は中編はじめたので、そちらもよければお願いします。 (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - shiorimaiwwさん» コメントありがとうございます。私もなんか寂しい気持ちです。また、続編書けたら頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 詩暢さん» 最高だなんて…ありがとうございます！嬉しいです！！また作品をお見せできるよう頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年11月7日 1時
