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ーーーAーーー
小田島「佐智雄が心配してたぞ。会ったか？」
蹴り飛ばしながら私を振り返る小田島。
『え？ …あー。まぁ。』
小田島「そっか。たまには会いに来いよ。」
『え、やだよ。』
小田島はふっと鼻で笑って道を開いた。
私もパイプを捨て、細い廊下から出てきた奴を蹴り飛ばす。
小田島「…本当可愛くねぇ女。」
『…悪かったね。』
私が蹴り飛ばした相手を横目に、小田島は首を鳴らした。
小田島「こっちはもういい。行け。」
小田島と横並びで突入し、
スキンヘッド達に残兵を任せる。
『うん。ありがと。』
私が素直にそう言うと、
小田島はめちゃくちゃ驚いた顔し、
サングラスを下げて、裸眼でまじまじと私の顔を覗いた。
小田島「へぇー、びっくり。」
『うっさい。』
私はそのまま奥の部屋へと進んだ。
奥で大きな声が聞こえる。
「もういいだろ。仲間だろーが！」
「ぐっ……」
「新太っ！！！」
…楓士雄の声だ。
私は金庫のある部屋までたどり着いて、そのドアの前で足を止めた。
いろんな感情が込み上げてきて、ゆっくりと息を吸う。
楓士雄が、ボロボロの顔で立ってる。
そしてその前に目を向けると、
散らばった札束に手をついて、
頭を下げなら、肩を震わしてる新太がいた。
『楓士雄。』
私は向かい合う二人に声をかけた。
二人が、ピクッと肩を動かし、こっちを振り向く。
「A…… 」
楓士雄の険しい目が、ふわっと緩んでいく。
そして、新太は潤んだ目で私を見上げた。
新太「・・・。」
新太は申し訳なさそうに顔を床に向けた。
肩が震えてる。
私はその横に歩み寄り、ゆっくりとしゃがんで、
その肩をさすった。
『…バカ。』
トン…
私の肩にも手がかかる。
振り返ると、
楓士雄が私を見下ろしていた。
「…良かった。」
楓士雄は一言、そう言った。
安堵の表情をうかべ、いつものように私を見つめる。
…楓士雄。
喧嘩してた事がバカみたいに思える。
本当、大切な仲間を失うところだった。
私は溢れてくる涙を堪え、
楓士雄を見上げた。
『…あたしもバカだった。ごめんね。』
楓士雄の目も潤んで揺れていた。
「…バカやろう。んなもん知ってるよ。」
楓士雄はそう言って、ふっと笑い
私を強く
強く抱きしめた。
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ななし(プロフ) - maschera0411さん» みなさまコメントありがとうございます！続編、書きはじめちゃいました！よろしくお願いしますっ！ (2020年1月13日 16時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
maschera0411(プロフ) - 楽しく拝見させていただいてます。続編……楽しみにしてますね (2019年12月5日 14時) (レス) id: 0853a8ef5d (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - つばきさん» 素敵なコメントありがとうございます！とても嬉しいです。私も最後まで読んでいただけて幸せです。今は中編はじめたので、そちらもよければお願いします。 (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - shiorimaiwwさん» コメントありがとうございます。私もなんか寂しい気持ちです。また、続編書けたら頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 詩暢さん» 最高だなんて…ありがとうございます！嬉しいです！！また作品をお見せできるよう頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年11月7日 1時
