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ーーーAーーー
「…物なんてもらってさ。その気になったらどーすんだ？」
楓士雄がバカか？と呆れた顔をしながら言った。
好きでもない奴にって…
ふと、村山が貰ったお守りのことを思い出す。
『あ…』
たしかに、そうだ。
「…わかったか？俺のいいたいこと。」
楓士雄にそう言われ、こくりと頷く。
『でも、悪い人じゃなさそうなんだよね。』
「その辺しっかり線引きしとけよ。」
そう言って、楓士雄は私の隣に腰をかけて、シュークリームを手に取った。
『…結局食べんじゃん笑』
「ま、物には罪はねぇからな。」
物には罪はない。
たしかに。
…村山もそうだったのかな。
てか、また村山の事が頭に浮かんでる。
うーん。
村山はどう思ってるんだろ。私の事。
今日のアレは、果たしてどんな意味が…
「…どうした？」
楓士雄が、ん？と私の顔を覗く。
『あー、えっと…』
なんて言えばいいんだろ。
『あたしと楓士雄はさ、兄弟みたいなもんじゃん？』
「え？…うん。」
楓士雄は少し、真面目な顔で下を向いた。
『でもさ、あたし達がそう思ってても、気にする人は気にするのかなって。』
「気にする人？」
楓士雄のトーンが小さくなる。
『えっと、気にして欲しくない人って言うか…、こっちが気になる人って言うか…』
「え…」
『っいや、なんでもない。』
自分で言ってて、急に物凄く恥ずかしくなり、私は最後の一口を口に放り込んだ。
あたし何言ってんだろ…
こんなの、自分で認めてるようなもん…
「…A？」
口いっぱいもぐもぐしていると、
楓士雄が私の顔を覗いた。
やばい…今あたし、 顔が真っ赤だ…
顔を下に向けながら、恐る恐る楓士雄を見上げる。
何か言われると思い、緊張していると、
楓士雄はすっと手を私の口元に伸ばした。
ムッとしたような、
でも、どこか遠いところを見てる…
そんな表情を浮かべて。
そして、そのまま親指でピッと私の口を拭った。
『あ…』
「付いてんだよバーカ。」
楓士雄は顔を隠すようにすぐに正面を向いた。
そして、両手で膝をポンと叩いてから立ち上がり、「ごちそーさん！」とそのまま席を立つ。
「風呂。」
ムスッとして、そのままその場を後にした。
『ちょっと…、もう。』
なんか、 …怒らせた？
いや、気のせいだよね…
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ななし(プロフ) - maschera0411さん» みなさまコメントありがとうございます！続編、書きはじめちゃいました！よろしくお願いしますっ！ (2020年1月13日 16時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
maschera0411(プロフ) - 楽しく拝見させていただいてます。続編……楽しみにしてますね (2019年12月5日 14時) (レス) id: 0853a8ef5d (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - つばきさん» 素敵なコメントありがとうございます！とても嬉しいです。私も最後まで読んでいただけて幸せです。今は中編はじめたので、そちらもよければお願いします。 (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - shiorimaiwwさん» コメントありがとうございます。私もなんか寂しい気持ちです。また、続編書けたら頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 詩暢さん» 最高だなんて…ありがとうございます！嬉しいです！！また作品をお見せできるよう頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年11月7日 1時
