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ーーーAーーー
あたし、上田のこと勘違いしてたのかも…
まぁ、あの頃はそんな余裕もなかったけど。
そんな事を思いながらバイクを走らせる。
鬼邪地区に着いた頃は、もう0時回っていた。
駐車場へバイクをとめ、部屋へ帰ろうとした時、ちょうど帰ってきた楓士雄とバッタリ遭遇した。
『あ、ただいま。』
私はそのまま手をあげると、楓士雄は血相を変えて詰め寄ってきた。
「ただいまじゃねぇよ！どこ行ってた！電話も通じねぇし…」
…こ、これはやばい。
かなり怒ってる。
私はそろりと携帯を取り出すと、電池が切れているのに気がつき、そのまま誤魔化すように笑った。
『…えと…充電、切れてるね。ハハ…』
「は？お前、何のために…てか、バイトは8時までだろーが。心配させやがって…」
一通り大声を出した楓士雄は、結局落ち着いたようで、ため息をつくように「馬鹿やろう」と言った。
よく見たら、髪が少し乱れている。
もしかして、探してくれてた…？
急に申し訳なくなり、私は楓士雄に近づいて、頭を下げた。
『…ごめん。ちょっと、街を出てて…』
「だから、どこ行ってたんだって。」
楓士雄はさっき見た上田のように私に問いかける。
レッドラムの集会所に言ってたなんて、
絶対言えない…
『えっと、人に会ってて…』
「誰に？」
『その、前住んでた時の知り合いで…』
嘘は言ってない。
会ったってか、たまたまだけど。
そのまま楓士雄をなだめるように、私は部屋に誘導した。
「あのな、こう言う時は普通連絡するもんだろ。」
『…ごめん。』
ソファに座って頭を沈めると、楓士雄は「ったくよ…」と手を伸ばした。
「お前に何かあったら、親父さんに顔向けできねぇよ…」
そう言って、私の頭を優しく撫でた。
『楓士雄…』
「また居なくなったらって思ったら俺…」
楓士雄はもう家族だ。
なのに、私はこんなに心配させてしまった。
私はそっと楓士雄の手に、自分の手を重ねた。
…すごく冷たい。
おそらく、かなりの時間外に出ていたんだろう。
『…ごめんね。』
そう言って、楓士雄の手を頭から下ろし、膝の上に戻すように動かす。
心なしか、楓士雄の頬が赤く染まった気がした。
楓士雄は顔を隠すように、ふいっとそっぽを向く。
「…っ次やったら、一ヶ月掃除当番だからな！！」
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ななし(プロフ) - maschera0411さん» みなさまコメントありがとうございます！続編、書きはじめちゃいました！よろしくお願いしますっ！ (2020年1月13日 16時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
maschera0411(プロフ) - 楽しく拝見させていただいてます。続編……楽しみにしてますね (2019年12月5日 14時) (レス) id: 0853a8ef5d (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - つばきさん» 素敵なコメントありがとうございます！とても嬉しいです。私も最後まで読んでいただけて幸せです。今は中編はじめたので、そちらもよければお願いします。 (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - shiorimaiwwさん» コメントありがとうございます。私もなんか寂しい気持ちです。また、続編書けたら頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 詩暢さん» 最高だなんて…ありがとうございます！嬉しいです！！また作品をお見せできるよう頑張りますね！ (2019年12月1日 14時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年11月7日 1時
