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ーーー竜ーーー



昼休みになるまで、気が気じゃなかった。



Aの話ってなんだ?


いつになく深刻な表情。



それに、光輝と絶対何かあったはず。



あんなにあからさまに照れてるし。



もしかして…


んなわけないよな…





ーーー


屋上に上がり、Aがつらつらと話し始めた。



そわそわしていた気持ちが一気に沸騰する。





『んで、誰なの?』





Aは生徒会長みたいに落ち着いている。


なんなんだ。


こっちがは何かあったらと気が気じゃねーのに。



しかも俺のせいで危険な目にあったなんて。




喧嘩なんていくらでもしてきた。


でも今、初めてそれを後悔してる。




これからは絶対、Aには近づけさせねぇ。



「Aは知らなくていい。」




Aが知る必要なんてない。



俺が守るから。




「携帯貸して。」



『え、ちょっとっ…』



俺はAの手から携帯をとり、番号を登録した。



「何かあったらすぐ連絡してこい。」



『は?』



「いいから。お前はなんもすんな。」




Aは俺から携帯をもぎ取ると、冷めた表情で俺をにらんだ。



『知らなくていいって、なんなの? 状況わかってる?』



「わかってるよ。だから、なにもすんなってこと。あとは俺が…」




『竜が教えたくないならもういい。もう関わらない。』



「おう、この件は俺がなんとかするから、とりあえずAがバイトの日は…」




『もう竜とは関わらない。』



Aは完全にキレていた。





正直、その一言はかなり堪える。




俺と知り合ってなかったらこんな事にはならなかっただろう。



むしろ、今後増えるかもしれない。



視線がすっと足元に落ちた。





「…本当にそうしたいのかよ。」





A…






『そうする他ないでしょ。』




俺は…




いやだ。



いやに決まってる。



でも、頭ではわかってんだ。



これ以上、巻き込んじゃいけないって。






「あっそ。」






『じゃ、そういうことで。』




Aはポンっとスカートを払って背筋を伸ばし、
ドアに目を向けた。








俺が守るって?



どの口が言ってんだろうな。




ふと、朝の光輝とAが頭の中によぎる。



ああ、



結局そーなんのかよ。



畜生。





Aはドアに向かって歩き出した。



俺は何もせず、ただそれを見ていた。

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設定タグ:PRINCEOFLEGEND , 天堂光輝 , 京極竜   
作品ジャンル:恋愛
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愛菜(プロフ) - こんにちは、はじめまして。お話読ませて頂きました!!竜とは無事結ばれたと思っていいのでしょうか?やきもきしながら楽しく読ませて頂きました。ご苦労様でした!! (2021年8月19日 16時) (レス) id: ec8eca325c (このIDを非表示/違反報告)
angel(プロフ) - 付き合った後の2人が見たいです(≧∇≦)続篇お願いします! (2019年12月20日 16時) (レス) id: 452da7dd64 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 美空さん» 一応、これでシリーズは完結になります。その先の続きは短編で書きたいなぁとは思っています!最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*^^*) (2019年8月29日 17時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - これで完結でしょうか?そうだとしたらお疲れ様でした!ストーリー展開にすごく引き込まれました!またプリロワで新作を作って欲しいです!本当にできたらで構いません。とても楽しませてもらいました!これからも頑張ってください! (2019年8月29日 17時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ちーさん» わ!本当でしたね!気がつきませんでした(;o;)笑 ご指摘ありがとうございます!直しました(^^)完結に向けて頑張ります^_^ (2019年8月15日 1時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし | 作成日時:2019年7月25日 1時

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