Don’t bother me.2 (prince of legend)

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ーーーAーーー




え…


ちょっとこれって..






至近距離で私を見つめる竜の目。


視線が私の口元に移った。



時が止まったかのように、ゆっくりと近づいてくる。


両頬を包まれたまま、私は全く動けなかった。




とゆうか、動こうとしなかった。




息ができないくらい、


心臓がきゅっとなる。




お互いの吐息がかかる距離。








そして、鼻と鼻が、すっと優しく触れた。






その瞬間、






「大丈夫ですかっ！！！」





大きい声がして、慌てて後ろを振り返る。








警官がドアから駆け寄ってきていた。



私達は、慌てて立ち上がり、少し距離を空ける。





『…あ、あの、この人たちがっっ…』




私は伸びている如月達を指差し、ちらっと竜を見た。




竜は手の甲で口を押さえ、上に視線をずらしている。




如月達は現行犯で逮捕され、連行されていった。





「犯人をやったのは君かね？とりあえず、病院に行って手当してから、署に来なさい。」



警官が竜を誘導する。








『まって！竜は助けてくれたんです。何も悪い事してな…』




「二人とも別々のパトカーに乗って。」




竜「心配すんな。」




私達は別々に、警官に連れていかれた。






ーーーー







事情聴取なんて初めてだ。


一通り終わった時には、11時を回っていた。



警察が親にも連絡し、電話で一部始終を伝えている。


ものすごい心配してるだろうな…




「なら、ご両親は迎えに来れないですね…。」



父「島にいるもんで…。情けないです。今からでも飛んでいきたいところですが。今日は嵯峨沢くんに迎えに来てもらうよう連絡します。」





両親公認の保護者。


ハルさんの事は、入学した時から両親は知っていて、家政婦のバイトの事も話している。


親からハルさんに連絡を入れることになった。





追いかけられた時は、一刻も早くハルさんに会いたかったけど、

今は、竜の事が心配でたまらない。





電話を代わると、父は夏休みの間、島に来るようにと言ってきた。



「でも、バイトあるし… 」



父「それどころじゃないだろう。」




『ハルさんもいるし、大丈夫だよ。もう犯人は捕まったし。お父さん達は安心して漁に励んでよ。毎日連絡いれるから。じゃないと、もっと生活苦しくなっちゃう。』


気丈に振る舞い、両親を説得する。


夏休みは稼ぎ時だし、帰るわけにはいかない。



私はハルさんを待った。

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