Don’t bother me.2 (prince of legend)

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―――A―――


光輝「ふっはは。」




光輝くんの笑い声を聞いて、私はゆっくり隣に顔を向けた。



パッと目が会う。







「…おはよ。Aさん。」




光輝くんは少し顔を赤らめ、照れ臭そうに耳を触った。


そして私も今、全く同じ顔をしているはず。




『おはよう。』




めちゃくちゃ恥ずかしい。


二人して顔を赤くして目線を外す。


やっぱり光輝くんも、意識してるのかな…





尊人「ん？なんだお前ら二人して…」



尊人が腕を組んでジロジロ見下ろす。



『いや、別になんも…』




尊人「なんもないってなんだよー？」




この状況。


さらに顔が熱くなる。




ニヤニヤしている尊人から逃げるように顔を背けた。



必然と、竜の方に向く。



竜は笑っていなかった。




てか、むすっとしてる？





竜「、、、前向けよ。先生くんぞ。」




竜は顎を前に向け、私を無視するように、頬杖をついて窓の外を見た。



なにその態度。


私は一瞥してから前を向いた。



すると、沈黙していた光輝くんは、前に座りなおしながらボソッと口を開いた。






光輝「なんもないってことはないけどね。」








なっ！！！




私はギョッとして光輝くんの方をみた。



光輝くんの視線は竜へ向けられている。



え、なんで…



ガラガラ…



言葉を発する前に、結城先生が教室に入ってきて、ホームルームが始まった。


光輝くんのことが気になりすぎて、私は初めて授業に集中できなかった。



ーーーー




お昼のチャイムが鳴り、誰にも目を合わさず、光の速さで教室を出る。




屋上に上がり、竜を待った。





少し経つと、ギィーと重い扉が開く音がし、
振り返ると竜がポケットに手を入れながら立っていた。







「おう。」



『ちょっと、こっちきて。』




私は竜の腕を取り、ドアから死角になっている場所へ竜を引っ張った。





「…話ってなんだよ。」




『京極竜って知らないかって。』




「は？」




『竜の事知ってるだろって、やばそうな人が。』



私は淡々と一部始終を話した。


意外と冷静に話せるもんだな…


あんなに怖かったのに、何か他の人の体験を話してるみたい。




「A、大丈夫だったのか？」


竜はパッと私の腕を掴んだ。


すっごく心配そうな顔。


私はそっと手を払った。



『大丈夫だよ。今のところは。んで、誰なの？』




竜は少し黙ってから下を向いた。



「Aは知らなくていい。」

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