63 ページ14
ーーーAーーー
尊人「おー！最高っ！！」
ニッコニコの尊人と、日浦くん達は光輝くんを挟んでハイタッチした。
「…二人が良かったのに。」
その下で、光輝くんは机にうな垂れて力なく呟いている。
尊人が隣の席にも手を伸ばすと、
竜は避けるように、すっと立ち上がった。
「わりい。俺はパスで。用事あっから。」
舞い上がっていた心が、一瞬ツンとする。
そのまま、「先帰るわ」と教室を出て行った。
尊人「ま、しゃーねぇな。」
陸「俺らで楽しみますか。」
海司「光輝、抜け駆けは禁止だぞ。ね？Aさん。」
日浦くんのキラースマイルを遮るように、光輝くんが身を乗り出した。
「じゃ、俺がAさんと連絡とる！」
光輝くんの後頭部に、陸&海司のツッコミが入り、
私はふっと笑いをこらえた。
陸「グループラインでいいだろ。」
小田島くんがささっとスマホを触ると、みんなの携帯が一斉にピコンと鳴った。
尊人「おおー。あんがと！」
陸「光輝、Aさん招待しといてね。」
ぶーと顔をしかめ、光輝くんはしぶしぶラインを開いた。
ーー
『じゃあ、私バイトあるから、帰るね。』
尊人「おー！またな！」
少し話した後、
私は帰り支度をし、駐輪場へ向かった。
みんなで花火。
竜はいないけど、別にもういい。
流石にあんな態度とられて、気持ち良い人なんていなくない？
ありえないっつーの。
私はめいいっぱい自転車を漕いだ。
ーー
いつもの道を進む。
この登り坂。
そういえば、ここで出会ったんだよな…
あー、なしなし！覚えてない！
私は首を振りながら、立ち漕ぎをした。
そして登りきった先で、息を飲むことになる。
数メートル先に見える茶髪。
うわ…
絶対この後ろ姿…
ちょうど信号の手前。
渡れ！先に渡れ！
私の願いも叶わず、そいつは赤信号で立ち止まった。
仕方なく、その右後ろの車道に止める。
キキッとブレーキ音が鳴り、目の前の金のピアスがこっち側に揺れた。
あぁ…
絶対こっち見たよね。
本当、タイミング悪すぎ。
ピーンと空気が張る。
2人きりっていつぶりだろう。
お互い気がついているのに、
他人のように前を向いていた。
このまま、夏休み…
もっと距離が空くのは明白。
これで、いいの？
本気に？
信号がものすごく長く感じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 464人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
愛菜(プロフ) - こんにちは、はじめまして。お話読ませて頂きました!!竜とは無事結ばれたと思っていいのでしょうか？やきもきしながら楽しく読ませて頂きました。ご苦労様でした!! (2021年8月19日 16時) (
レス) id: ec8eca325c (このIDを非表示/違反報告)
angel(プロフ) - 付き合った後の2人が見たいです(≧∇≦)続篇お願いします！ (2019年12月20日 16時) (レス) id: 452da7dd64 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 美空さん» 一応、これでシリーズは完結になります。その先の続きは短編で書きたいなぁとは思っています！最後まで読んでいただき、ありがとうございました(*^^*) (2019年8月29日 17時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
美空(プロフ) - これで完結でしょうか？そうだとしたらお疲れ様でした！ストーリー展開にすごく引き込まれました！またプリロワで新作を作って欲しいです！本当にできたらで構いません。とても楽しませてもらいました！これからも頑張ってください！ (2019年8月29日 17時) (レス) id: c52258fc3c (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ちーさん» わ！本当でしたね！気がつきませんでした(;o;)笑 ご指摘ありがとうございます！直しました(^^)完結に向けて頑張ります^_^ (2019年8月15日 1時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななし
| 作成日時：2019年7月25日 1時
