Don’t bother me.2 (prince of legend)

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ーーー竜ーーー




しばらく打ち合いをすると、奥の部屋から、
明らかに堅気ではなさそうな店長が出てきた。



「おめぇらその辺にしとけ。」



如月は、ちっと舌打ちすると、血のついた口を拭って後ろへ下がった。




如月「お前のそのムカつくツラ、いつかめちゃくちゃにしてやんぜ。…さっさと出てけ。」









Aの言う通りだ。



これ以上俺に関われば、危険なことになる。




それから俺は、Aを避けるようになった。







ーーー数日後







『…じゃ、今の通り進めてください。では。』




壁ドンの特訓がはじまり、説明をした後Aが部屋を出て行く。





「ほら、いけよ。」



海司が小声で光輝の腕をこずいた。



光輝「すいません！ちょっとトイレ！」



ガヤガヤとペアになる王子たちをすり抜け、光輝が教室を出た。





尊人「竜に壁ドンかぁ。笑っちゃいそうだぜ」


兄貴と練習を始めると、

しばらくして、光輝が赤い顔をして帰ってきた。




陸「どうだった？」



光輝はチラッと携帯をかざし、ポケットに入れ直す。



海司「このやろっ！」



じゃれるネクスト達。



陸「俺らにもライン教えろっ！」





俺は、日に日にいい感じになるAと光輝を、
ただ見ないようにしていた。




ーーー









ある日の放課後、いつものように兄貴と帰ろうとすると、光輝が俺を呼び止めた。






「竜、ちょっと話せる？」



大体予想はつくんだよな。







空き教室に入り、光輝はドアを閉めてから口を開いた。




「竜はさ、Aさんの事好きなんじゃなかったの？」








ほらな。


それしかねぇだろ。俺を呼び出すなんて。






光輝がいい奴だって事は知っている。



俺の事も友達だと思ってくれてんだよな…




「別に。そんなんじゃねーよ。」





それを聞いた光輝は、少し黙ってから、
真面目な表情で口を開いた。




「そうは見えないけど。…今も。」





「あ？」




ヤンキーの反応に、少しビクつく光輝。



しまった。


俺は感情を殺した。




「もうなんとも思ってねーよ。気にすんな。」




俺は光輝の肩をポンっと優しく叩き、部屋を出ようとすると、ガタンと後ろで音が鳴った。





「俺、本気でAさんが好きだから…」






光輝の言葉が俺の足を止める。



「遠慮、しないからな。」



ああ。


わかってるよ。





「もう俺には関係ねぇよ。じゃあな。」




光輝の目を見ず、俺は教室を出た。

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