Don’t bother me.2 (prince of legend)

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―――A―――




「…なんだよ？怖い顔して。」



竜はポケットに手を入れながら、顎で私の顔を指した。


自然と眉間に力が入っていたみたい。


聞かなきゃ。


あいつが誰なのか。



『竜。ちょっと話があるから、昼休み屋上にきて。』




「え？ ああ…。いいけど、どーした？」



竜は怪訝な表情で私を見る。




『それは後で。今は勘繰らないで。教室入ろ。』






…ガラガラ





私達が教室に入ると、一斉に目線が集まった。



そして、私は女子から質問ぜめ。



ガヤガヤと取り巻きに囲まれながら、席に向かう。




「竜くんと登校！？二人ってもしかして…」


キャーと女子が騒ぐ。



私は竜からバッと、一歩離れた。



『ないない！そこで会っただけで…』



竜は慌てて否定する私を鼻で笑った。



竜「ばっかじゃねーの？真に受けんなよ。」



『は？バカってなによ。』



「過剰に反応すんなっての。」



『うっさい。』



私は竜を睨みながら、ドンっとカバンを机に置いた。



シーン。



ぽかんと口を開けた野次馬たち。



『…あ。』




竜はまたフッと声を出さず笑った。




私は、引きつった顔のまま椅子を引いた。




「あ！光輝！おはよう♪」



女の子達は一斉に顔を右に向ける。



光輝「おはよう。」



「タキシードかっこよかったよー！絶対、私達光輝に投票するからね！！」


光輝「あはは。ありがと！ダンスも見にきてくれよな！」




光輝くんはファンに囲まれ、愛想よく対応していた。




“ 俺が一番好きだから。 ”



この前言われた言葉が頭に響く。



うわ…


すっかり忘れてた…。





そーいえば、私、告白的な…





急に心臓がバクバクしてくる。




それに、あの時、私逃げちゃったよね？



やばいやばい！


気まずいっ！！！



そろそろホームルームが始まる時間。


取り巻きの壁が開いていく。



視界の端に、光輝くんの赤い髪が映った。




どうしようどうしよう…



こっち向きそう…




尊人「セーーーフ！！！おっはよー！光輝っ！！こないだはお疲れーい！」




光輝「ああっ、おはよ！」




尊人「Aのイメチェンも大成功だったよな？」



うわうわっ！


私に話を振るなっ！！




『え？あっ、はは。』



竜「馬子にも衣装…」



『ちょっと！』



私はペシっと竜の頭を叩いた。

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