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―――A―――
鏡をみるたび、自分が見違えるように輝いていく。
『…ハルさん、すごい。』
私の前髪を斜めに整えて、ハルさんは鏡の中から私と視線を合わせた。
「ちょっと手を加えただけだよ。俺にはいつもこう写ってる。」
そう言われて頬が赤くなった。
このピンクのチークのせいではない。
そしてハルさんは、濃いめの赤のリップを指に取り、私の唇に乗せた。
…ひゃっ
私は急速に心臓が動き始め、目を閉じた。
そして、ゆるく纏められた髪に、草木をモチーフにした、銀色の細長い髪飾りをつける。
完成したようで、ハルさんは一歩下がって鏡を見た。
「…やっべ。」
『えっ？なんですか…』
ハルさんは、顎をつかみながら、ポロっと呟く。
「他の奴に見せたくないな…」
えっ…
なんなんですかもう。
『ここまでやってそれは…』
ハルさんのおかげて、あんなに嫌がってた気持ちが
かなり軽くなってきた。
むしろ、出たいとすら思えてくる。
「だな。Aと踊るの楽しみにしてる。」
『…はい。 あ、もうこんな時間！早くハルさんも準備しないと！』
ハルさんは、そうだった！と言って、
カーテンの仕切りの向こうで自分の準備を始めた。
ーーーー
PM 15:00
服部「聖ブリリアント学園の皆さん！遂に、この日が来ました！」
キャーーーーー！！！！
うぉーーーーー！！！！
悲鳴に近い声が上がる。
服部「伝説の王子は誰の手に。それではお待ちかね、王子たちの登場です！！まずは、この学園の生徒会長！綾小路葵！！」
バンッ！！と照明が会長を照らす。
そして、
バンッ！！バンッ！！ バンッ！！…
照明とともに、名前を呼ばれた王子達が、一人づつ壇上に姿を現わしていった。
キャーーーーー！！
会場のボルテージが一気に上がる。
最後に理事長が出てきて、王子選手権への熱い想いを語り出した。
服部「理事長！素晴らしいお言葉の数々！ありがとうございました。 では次に、最初の催しとして、我が校伝統のワルツをお楽しみいただきます。気品あふれる王子の振る舞い、とくとご覧あれ！！」
♪〜 ズンチャッチャー ズンチャッチャー
音楽が流れてきて、私は深く深呼吸した。
よし。
やってやるっ！！
リングに上がるボクサーの気分で
私は理事長の手を取り、ステージに降りた。
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ななし(プロフ) - ゆなさん» 嬉しいです！ありがとうございます！最後まで読んでいただけたら嬉しいです！ (2019年12月1日 16時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです (2019年11月5日 19時) (レス) id: 3d72f20392 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 秋和☆°・.。さん» ありがとうございます！！頑張って完結させますね(*^^*) (2019年8月2日 1時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
秋和☆°・.。(プロフ) - 続編の公開待ってます！ (2019年7月21日 2時) (レス) id: fd8f2345ac (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 雫さん» ご指摘ありがとうございます！直しますっ！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年6月27日 4時
