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―――A―――



授業のチャイムが鳴り、

急いで教科書とノートをしまう。



…さっきのはなんだったんだろ。




天堂くんに一瞬声をかけられた気がしたが、

ネクストの二人が天堂くんに飛びついて絡み始めたから、私はそのまま教室を後にした。






平和に過ごしたいと思ってたけど、

実行委員になったからには、
今後他のイケメン達とも接する機会がうんと増える。





あーもう。



なんで私は貧乏なんだ。


私は生まれて初めて貧乏なことに心底落胆した。






〜〜






バイト先に着くと、店長がすぐ声をかけてきた。



「Aちゃん。寂しくなるよ。」



『な、なんですか。』



「これからは週に2回か…」




『すみません。まんまと理事長に買収されました。』



店長は、気にすんなと言って、力なく笑う私の肩をぽんぽんとたたいた。





「あ、いつもの出前よろしくね。」


あー、ハルさんね。


私は更に力のない返事をした。


『はーい。』






美容室に入ると、ハルさんが速攻で肩を抱いてきた。


なんだかいつにも増してニコニコしている。




『なんですか!ちょっと!』




「Aちゃーーん。実行委員なんだってー?」




『ハルさっ… ! なんでそれを…』




ハルさんはニヤリと笑った。



「おーれーも。出るんだよね。選手権。」



『えーー!?なんでですかっ!!!』





ハルさんは卒業生代表で、出場が決まっているとの事だった。



学園でも有名人だし、想像はつくけど。



でも、これは厄介…。





『どーしましょう…。』



ハルさんはとんっと私の両肩に手をかけ、上から私を見下ろした。



「俺以外の前では地味子ちゃんでいろよ。」



まーた、キラースマイル。


とんっとおでこを指で突かれる。


全くもう。



『はいはい。言われなくても。』



私は軽くあしらって、お金を回収した。




「そろそろ家政婦よろしくねー。」




ハルさんのウインクを愛想笑いでかわし、


了解ですと答えて店を出た。



〜〜





バイトをあがり、自転車を漕ぐ。



壊れる前よりペダルが軽い。


油がさされ、メンテナンスされていた。



結構いいやつじゃん。




あれから半月は過ぎてるけど、

あいつはカフェには来ていない。






もう会うことはなさそうだな。




京極竜…




そういえば、理事長がなんか言ってたな…



なんだったっけ…




ま、いーか。






その日は帰ってぐっすりと眠った。

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設定タグ:プリレジェ , 吉野北人 , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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ななし(プロフ) - ゆなさん» 嬉しいです!ありがとうございます!最後まで読んでいただけたら嬉しいです! (2019年12月1日 16時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです (2019年11月5日 19時) (レス) id: 3d72f20392 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 秋和☆°・.。さん» ありがとうございます!!頑張って完結させますね(*^^*) (2019年8月2日 1時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
秋和☆°・.。(プロフ) - 続編の公開待ってます! (2019年7月21日 2時) (レス) id: fd8f2345ac (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 雫さん» ご指摘ありがとうございます!直しますっ! (2019年7月6日 19時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし | 作成日時:2019年6月27日 4時

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