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―――A―――
理事長「今年は例年よりも盛り上がりますよ。なんてったって、ゲストとして新しい王子を迎えてますからね。」
理事長は机の引き出しからファイルを取り出してきた。
「転入生を迎えてね。御曹司の朱雀、そしてその兄弟の京ご…」
キーンコーン カーン コーン
理事長の話な途中でチャイムが鳴った。
『あっ！大変。すみません。』
午後の授業に遅刻してしまう。
「ま、この話はまた今度ね。」
私は理事長に深々と頭を下げ、部屋を出た。
「わっ！！！」
理事長室から勢いよく飛び出したため、外にいた生徒とぶつかってしまった。
下を向いたままだったから、
メガネが床に転がった。
『すみませんっ。』
咄嗟にしゃがんで拾おうとすると、
その人も同じタイミングで腰を下ろしていた。
向かい合って屈んだため、顔が間近にある。
キラキラした大きい目と目があった。
『あ…』
「ぅわぁっ！」
目の前にいたのは天堂くんだった。
彼は宙を舞ったかってくらい、後方にひっくり返った。
私は拾ったメガネをかけながら、すっと立ち上がった。
『…天堂くん？ 大丈夫ですか…』
「ごごごご、ごめんっ！！！」
天堂くんは、めちゃくちゃ慌てて、顔は髪の毛と同じくらい赤く染まっている。
「Aさんこそ、怪我はない？」
『私は大丈夫です。あ、授業…』
「わっ！やばっ！急ごうっ！」
パシ。
へ？
天堂くんは私の手を掴んだ。
そしてにっこり笑うと、「走るよ？」と。
な、、、っな、、！？！？
私は思考が追いつかないまま、教室へ連れられて行った。
「君たち、ギリギリ、セーフ。先に後ろから入りなね♪」
キラッキラの結城先生が、ちょうどエコノミーの教室のドアに手のばしたところだった。
ペコリとお辞儀をし、私達は後ろのドアからそっと教室へと入った。
〜〜
天堂くんに手を引かれて校内を爆走なんて。
なんてこと。
最悪だ。
誰かに見られてたら…
それこそ平穏な学園生活のピリオド。
まだ心臓がバクバクしてる。
ちらっと授業中に隣を見ると、天堂くんは赤くなった耳をかいて下を向いていた。
口元はすっごく緩んでる。
彼の目線がこっちに動きそうだったから、
私は目が会う前に、さっと黒板に顔を向けた。
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ななし(プロフ) - ゆなさん» 嬉しいです！ありがとうございます！最後まで読んでいただけたら嬉しいです！ (2019年12月1日 16時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - 初めまして、とても素敵な小説ですね。読むのが楽しみです (2019年11月5日 19時) (レス) id: 3d72f20392 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 秋和☆°・.。さん» ありがとうございます！！頑張って完結させますね(*^^*) (2019年8月2日 1時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
秋和☆°・.。(プロフ) - 続編の公開待ってます！ (2019年7月21日 2時) (レス) id: fd8f2345ac (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 雫さん» ご指摘ありがとうございます！直しますっ！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: f172c4d98f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2019年6月27日 4時
