自由人な北人くん ページ11
ーーーAーーー
BOT。
この企画が来た時、胸が躍った。
まさか、こんな大きな仕事をもらえると思ってなかったし。
だから、ここのところ、ずっと寝不足だった。
貴重な時間もタコパに取られてしまったし。
やばい…
だめだ…
ねむい…
パソコンを開いたまま、貸してもらってた作業部屋でうたた寝をしてしまっていた。
スー
スー…
段々と意識が戻ってきて、
それと同時に、何やら気配を感じた。
ゆっくりと目を開けると、
目の前に顔。
私の隣で、頬杖をついて、こっちを向いている。
え…
夢？
パッチリとした二重に、甘い顔。
眠さで意識がふわふわしてる。
そんな中、無言で数秒見つめあった。
「可愛いっすね。」
彼がふっと笑った時、やっと眠気が覚めた。
っ！？
ほ、北人くん？？
『っ…』
「コーヒー、冷めてますよ。」
『え、』
「帰ろうとしたらchrono-さんがここで寝てるのが見えて。」
目線をドアに向ける。
あ…
北人くんは、ブラインドを下げる仕草をした。
寝てるから、外から見えないようにしてくれたんだ。
『あ、ありがと…』
「お陰で独り占めできました。」
『え？』
はて…
なにがや…
北人くんは、含み笑いをしながら、私を見つめている。
なに…
なんなんだろ…
寝てる間になんか言ってたのかな…寝言とか
ぼけーと見つめてると、
ふわっと北人くんの前髪が流れた。
そして目線が少し下がり、あ、と思った瞬間、
顔を近づいてきて、めちゃくちゃ至近距離で頬杖をついた。
「可愛い。」
っっ！？！？
慌てて手を顔の前にかかげ、距離を保つ。
『…っな、なに？』
寝起きだし、よく頭が回らない。
いや、むしろ可愛い顔は貴方では？
『僕、Aさん狙ってもいいですか？』
甘えるような上目遣い。
『はい？』
なにを言うてんだこの子は。
どさくさに紛れて下の名前で言ってるし。
そして、その手はなんだ？
頬に触れようとする手をパッと払いのけ、荷物をまとめ、立ち上がる。
最近の若者の距離感わからん。
北人くんは、ですよねー、と頭をかいた。
「ダメかー。」
『ダメでしょ。』
「寝てる時はちゃんと我慢したのにな。」
『当たり前。』
「そっか。」
『もう…』
はぁ…
ため息をつき、お疲れ様ですと、外に出る。
吉野北人…
あなどれない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 373人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「川村壱馬」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美咲(プロフ) - 続き楽しみにしてます (2022年10月3日 10時) (
レス) @page23 id: 411e2cf0cf (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - ありがとうございます。竜太くん、まこ、澤夏くんかしこまりましたー！私も好きなので書くのたのしみです！他連載もあるので、長い目で待っててください(＞人＜;) (2022年8月28日 23時) (レス) id: 791ef3706d (このIDを非表示/違反報告)
雛鳥 - 澤本夏輝くんお願いします！ (2022年8月28日 19時) (レス) id: 8ca9741d23 (このIDを非表示/違反報告)
輝(プロフ) - さのさんリクありがとうございました！楽しく読ませて頂きました！ (2022年8月28日 16時) (レス) @page24 id: dbb581b110 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - ななしさん» まこ推しなのでまこでお願いしたいです！ (2022年8月27日 11時) (レス) id: c10cfb91cb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ななし
| 作成日時：2022年8月2日 14時
