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ーーー楓士雄ーーー
いつものように振る舞えてると思ったら大間違いだ。
Aはむらっちの事が頭に過ぎると、一瞬だけど、
切ない表情を見せる。
俺ならこんな顔させねぇのにな。
部屋に篭ったAにそっと声をかけた。
入ると、案の定布団にくるまって、無言。
「なんだ？まだ怒ってんのか？」
とりあえずAが反応しやすい言葉をかける。
「悪かったって。」
Aは背中を向き直すだけで、顔を出さないで黙っていた。
「おい。」
ちょん、とAの脇の下を突く。
『っ！！』
「起きろって。このっ…」
こんなに言って顔あげねぇから、
俺はAを布団越しにくすぐった。
「くすぐんぞ！！」
『ちょっ！！！バカっ！！！ハハ…』
「うおっ！！」
暴れながら布団から出ようとするA。
その膝が鳩尾に当たり、俺はうっとベッドに手をついた。
『っ…』
「っ…」
目を開けた途端、
完全に思考がショートする。
顔を出したAの目が、至近距離にあるから。
俺らは、ハッと息を飲み、静止した。
Aの乱れた髪から見える頬が、
ピンクに色づいていく。
心なしか、Aの鼓動も聞こえてきそうだ。
覆いかぶさる体制で、じっとAの瞳を見つめていた。
このままキスしたら…
…この関係が壊れるか。
まだ、時じゃねぇ。
「なーにびびってんだよ。」
コツンッ
『いった！』
そのまま俺はAのおでこに頭突きし、
ベッドから降りた。
『なにすんの！この…』
Aが立ち上がり、枕を俺に向けて放り投げる。
俺はうわっと、とジャンプしてそれを避け、ドアの前に立った。
「元気出過ぎな。」
『あんたね……もう、立ち入り禁止。』
「は？なんでだよ！」
『なんでもっ！！！』
Aは今度は目覚まし時計を握ったから、
俺は慌てて部屋の外に退散した。
…いつまでも、むらっちの事見てんじゃねぇよ。
それに、
「あの顔は卑怯だわ…」
さっき見下ろしたAの表情を思い出し、
俺はパンっと頬を叩いた。
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ななし(プロフ) - ありがとうございます。構想を練りながらなので、更新遅いですが、51話から公開しました。 (2020年2月20日 2時) (
レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーねんず(プロフ) - 凄くおもしろいです！！続きが気になります、、パスワード教えてほしいです！ (2020年2月20日 0時) (レス) id: 695e2d496c (このIDを非表示/違反報告)
ネコ.K - 続き気になります！((o(´∀｀)o))ﾜｸﾜｸ パスワード教えてください！！ (2020年2月18日 7時) (レス) id: bf25cdc74b (このIDを非表示/違反報告)
ひろちゃん(プロフ) - このお話大好きです！続きが読みたいのでパスワード教えてください☆ (2020年2月16日 15時) (レス) id: ed54dab455 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 皆さま、コメントありがとうございます(ToT)こんなに更新が遅いのに、作品を読んでくださってとても嬉しいです。なんとか、完結を迎えるよう頑張ります！ (2020年2月15日 2時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななし
| 作成日時：2020年1月9日 0時
