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ーーー楓士雄ーーー





『本当、やってのけちゃったね。』







そう言いながら、


Aが俺の隣に座った。



救急箱からガーゼを取り出し、切れた眉毛を消毒する。



痛みに目をしかめると、


Aは優しい顔で、俺を覗き込んだ。



あ、これ。



たまにするこの顔。



可愛すぎて、


他のやつには見せたくねぇーやつ。




何も言えないでいると、



Aは、俺を見つめながら、そのまま続けた。








『ずっとこうなったらいいなって思ってた…』







え…







Aの綺麗な瞳に吸い込まれそうになって、


後ろに倒れそうになる。





「え…なっ…」




ドキドキがとまらねぇ。



男女が見つめあって、



こうなったらいいなって…





これ、もしかして…





淡く期待してると、


Aは目にかかった俺の髪を、サッと上に挙げた。






『轟とツートップ。まじでそれがいいって思ってた。』





あ。



それか。




だよな…



アホな期待してんなと、自分でツッコむ。




Aはここに来た頃の、泰清や轟、中越とのあれそれを話し出す。







『本当に、楓士雄がいてくれてよかった。』



Aがふわっと笑う。


その頭に俺は手を置いた。





「おーよ。いったろ?俺が一番になるって。」



そういうと、Aは俺を見上げてにっこりと笑う。



『うん。信じてた。』








この流れ、普通なら結ばれんじゃねーの?



まじで、そう思うんだけど。






『あと残りは鈴蘭か…』





そうでしょ?とAが俺を覗く。


俺がやるって決めた目標。



Aは隣で見てたし、全部知ってる。




あ、



一つを除いては。







「あー…それも、な。」




『え?…それもって、ラオウ以外にまだあんのっ!?』



Aは呆れて目を開いた。





「ひとつだけ、あんだよ。」




『なに?』





「大事なやつ。」




『なにそれ?』





俺がそれ以上は言わねぇーと言うと、


Aは、あっそー。と薄いリアクションをとる。






後ひとつ、



鈴蘭と戦ったら、




俺は、





Aにちゃんと想いを伝える。









「覚悟しとけよ。」






Aにそう言うと、意味わかんないって顔して、

それから『はいはい。』と呆れながら、


氷袋を渡された。





頭冷やせって。


うまくかけやがって。




こいつは全く…




ほんと、覚悟しとけよな。

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ななし(プロフ) - ありがとうございます。構想を練りながらなので、更新遅いですが、51話から公開しました。 (2020年2月20日 2時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーねんず(プロフ) - 凄くおもしろいです!!続きが気になります、、パスワード教えてほしいです! (2020年2月20日 0時) (レス) id: 695e2d496c (このIDを非表示/違反報告)
ネコ.K - 続き気になります!((o(´∀`)o))ワクワク パスワード教えてください!! (2020年2月18日 7時) (レス) id: bf25cdc74b (このIDを非表示/違反報告)
ひろちゃん(プロフ) - このお話大好きです!続きが読みたいのでパスワード教えてください☆ (2020年2月16日 15時) (レス) id: ed54dab455 (このIDを非表示/違反報告)
ななし(プロフ) - 皆さま、コメントありがとうございます(ToT)こんなに更新が遅いのに、作品を読んでくださってとても嬉しいです。なんとか、完結を迎えるよう頑張ります! (2020年2月15日 2時) (レス) id: 6a3e7ad6c9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななし | 作成日時:2020年1月9日 0時

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