LOVEニスタ ( 2 )

泣き虫 ページ48

目を覚ますと、最近ではめっきり見慣れた天井が目に入った。



『Aさん、大丈夫ですか？…』



ベッドの横に座って、あたしを心配そうに見つめる仔ウサギちゃん。



「あれ？あたし…飲みすぎて潰れちゃった？」

Y「俺らが飲ませすぎちゃったみたい。ごめん。」



ミネラルウォーターを持ってきたヨンベが、キャップを開けてあたしに差し出した。

身体を起こしてそれを受け取って。口をつけた。



「あたしが呑もう！って言っちゃったからだね。
それなのにあたしが潰れちゃうなんて…ごめんね。」



呑もうって言ったのは自分なのに。
迷惑かけてどうすんの。あたしのばか。



「あ、でも住所言えたってことは、あたしまだ意識あったのかな。笑」

Y「あー……うん。住所聞いたら、まだ答えてくれて良かったよ。」

「なんかね、ジヨンの声が聞こえたような気がしたんだけど…都合のいい夢だったみたい。笑」

Y「A…」

「フラれてんのにね。笑」



何かを忘れたくて飲むなんて久々だったなぁ。

この歳にもなって無茶な飲み方するなんて。
いい大人が何やってんだか。



『…Aさん…あの…』

「ん？どうしたの？」



仔ウサギちゃんの目には涙が溜まっている。
瞬きをしたら今にも溢れそう。



『あたし…Aさんのこと大好きですから。』



仔ウサギちゃんがギュッとあたしを抱きしめてくれた。

誰かに抱きしめられるのなんて久しぶりで。
温かさに胸が締め付けられた。


だって。


だってジヨンは、毎日抱きしめてくれていたから。



「うん。あたしも大好きだよ仔ウサギちゃん。
いつもありがとう。」



あたしもギュッと仔ウサギちゃんを抱きしめると、仔ウサギちゃんは声をあげて泣き出した。


それを見ていたヨンベの目もユラユラと揺れていて。


泣き虫なカップルだなぁ。なんて思って。
小さく笑ってしまった。

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