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巻ノ六十 ページ12

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A「イナリ君、どうしたの?」



イナリ
(なんで…なんで…)



ナルト「何だァ?」





いきなりイナリは立ち上がった





イナリ
「なんでそんなになるまで、必死に頑張るんだよ!!修行なんかしたってガトーの手下には敵いっこないんだよ!

いくらカッコイイこと言って努力したって、本当に強いヤツの前じゃ弱いヤツはやられちゃうんだ!」





ナルト以外、イナリの言葉に少し驚く




ナルト
「うるせーなァ。お前とは違うんだってばよ」

イナリ
「お前みてるとムカつくんだ!
この国のこと何も知らないくせに出しゃばりやがって!

お前に僕の何が分かるんだ!

辛いことなんか何も知らないで、いつも楽しそうにヘラヘラやってるお前とは違うんだよォ!!」





イナリの言葉に反応したナルトは顔を上げた




ナルト
「……だから……悲劇の主人公気取って、ビービー泣いてりゃいいってか……」

イナリ「!」

ナルト
「お前みたいなバカはずっと泣いてろ!泣き虫ヤローが!!」





ナルトがイナリを睨むと、イナリは口を噤んだ





サクラ
「ナルト!アンタちょっと言い過ぎよ!」

ナルト「フン!」





ナルトは席を立ち、座敷の方へ入っていった


イナリも居間から出ていってしまった



居間に沈黙が流れる





A「ヘラヘラしてる…か…」





小さくAが呟いた





サクラ「え?」

A
「…あ、えと…ナルトってさ、友達もいなくていつも1人でいたでしょ?イタズラする度にイルカ先生に怒られて……だけど懲りずにまたイタズラしたり……確かにヘラヘラしてるけど……」





Aはこれまでのナルトを思い出す




A
「……泣いてるところは一度も見たことないんだ…」

タズナ・ツナミ「……」

A
「誰かに認めてもらいたくて、一生懸命で……夢のために命懸けで……カイザさんと同じなんだよ。

だからナルトは、イナリ君の気持ちが分かるんだと…思う…」

カカシ
「Aはナルトの事、よく分かってるのな」

A
「え、いや別にそんな事は…」

サスケ
「……お前、昔からナルトばかり見てたからな」

A
「ゔ……それ私がナルトの事好きって言われてるみたいなんだけど…」



カカシ
(本当…Aの言う通りだよ。
ナルトはイナリ君を放っておけないみたいだからね)





カカシはそれを伝えにイナリの元へ行った






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作者名:ぴーなつ | 作成日時:2017年9月14日 16時

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