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「私…あれ…？」
上手く思い出せなくて頭を抱える。昨日の事なのに、まるでそこだけ穴が開いたような感覚だ
析「A、キミは元々他社との裏取引のために利用されていたのは解っているかい？」
「…はい」
析「王帝の元オーナーは、キミを泣き叫んだり勝手に逃げ出したりしない人形に…所謂、ラブドールにするため薬を投与していたんだ。
与えられていた薬は、予想以上にキミの身体にしみ込んで、時間をかけてゆっくりとキミの身体を蝕んでいる。今この瞬間もだ。
そう簡単に消えないものなんだ。それ程恐ろしいもので、もっと服用していたら子供なんて望めない身体になっていたし、今だって、このままにしていたら間違いなく自我を失ってしまうんだ。」
「改めて聞くと、本当にヤバい事に足を突っ込んでいたんですね…私。」
しゃがみ込んだまま私の手を取って、まるで小さい子供に言い聞かせるように静かに言う析谷様
析谷様がパパだったら、きっとこんな感じなんだろう。優しく諭すように言ってくれる。
確かオーナーは、ビジネスのために私が必要だと…そう言っていた。薬を飲めば、アレスクラスタ―としては無能の私でも良いと。
無理に感情を失う必要はないと、そう言っていたのに。与えられていた薬はゆっくりと、確実に感情を失わせるためのものだった。
優しく私の頭を撫でる手も、抱きあげてくれていたのも、全部その計画のためにしていた事だとしても…間違いなくあの頃の私にとってオーナーは、唯一私を甘やかせてくれる"大人"だった。
監督と言う存在がなければ、もっとオーナーを信頼していただろう。そこは少しだけ監督に感謝している。
あの人のおかげで、オーナーとの間に壁を作っていられたのだから。
「あれ、でも…おじ様たちに貰った薬はオーナーの計画とは違うものじゃないですか？」
はぁ…思い出していたら、嫌な事まで思い出してしまった。おじ様たちに貰った『声が出せるようになる薬』。その裏は排卵誘発剤だ。
析「そう、そこが一番面倒な所なんだ…」
析谷様は少し遠い目をしてため息を吐いた。私の手を握っているはずなのに、まるで頭を抱えているようにも見える。
なんだか、不思議だね。
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橋本アリィちゃん(プロフ) - とてもキュンキュンしました！続編も応援しています！(*´∀｀*) (2021年11月3日 21時) (
レス) @page36 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
山神雛(プロフ) - ドキドキしながら見させて貰いました！続き楽しみに待ってますっ身体に気をつけて頑張って下さい (2020年8月11日 14時) (レス) id: b401e87431 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汰ると | 作成日時：2020年2月26日 2時
