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閑話1 ページ10
Aが、夜の仕事を辞めた。
本人曰く、未経験者歓迎！みたいな派遣に登録したら、思っていたよりも好条件の仕事に巡り会えたのだという。
まあ、Aは勉強が苦手なだけで物覚えは良い方だと思うし、見た目も愛想もいいから、直ぐに仕事は見つかると思っていたけれど。
それでも、毎朝、俺を急かしながらも身支度をして、OLの様な格好で一緒に自宅を出るAを見ていると、どうしようもない安心感が溢れた。
朝、Aの声で目覚めて、夜は俺に仕事が無かったり外食をしたりしない限り、いつも夕食を一緒に食べる。
その事実は、Aはもうあの汚い手で触れられる事は無い、何よりの根拠だった。
俺たちの日々は何事も無かったかのように進んでいて、俺は安心してJrと学校の両立に明け暮れていた。
そんな時だ。
不穏な、風が吹いたのは。
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作者名：渚 | 作成日時：2019年11月5日 0時
