・ ページ6
6/6
「健ちゃん！福本さんおはようの人！」
「え？」
「おぉぉぉ！！」
「私の負けや〜」
「え？」
なんやねんこの人ら。
「夜の買い出しお前持ちな〜」
「たこ焼きでいいやんな？」
「ええか？」
「え、俺ですか？」
「おん。大晴くんの歓迎会やん」
勝手に歓迎会開かれることになってるし。
初手から名前呼びやし。同い年くらいに見えるけど、これで小島さんの方が年下やったら…いや、別にええけどな。
たこ焼きに入れる具材について熱弁している二人を放って部屋に戻るほど薄情でもないので、適当に相槌を打ちつつ、タコパするならキムチ餅チーズは絶対入れたいということだけ主張しておいた。
Aさんは餅を買うことを渋っていたが(多分余った時の使い道があんまりないから)、最終的には"俺の"歓迎会やし、ということで了解してくれた。
「ほんなら7時に205な」
「飲みたいものがある人は各自で用意してください！」
「わかりました」
「解散！」
「解散！」
そう言って各自、自分の部屋へと帰っていく。
変な隣人に挟まれてしまった。
そう思いながら洗面台の鏡を覗き込んでいる俺の顔はなんだか楽しそうで、笑えてきた。
【夜タコパにて】
「そういえばおはようの人ってなんなんすか？」
「あ〜私と健ちゃんで11時はおはようかこんにちはかっていう賭けをしてまして」
「俺はおはようで、Aはこんにちはやねん」
「それで初め俺が挨拶した時リアクションでかかったんですか？」
「そうです。負けた！て思ってました」
「おかげで今日の飯代浮いたわ」
「給料日まだやのに」
「ありがとうな〜大晴！」
「お礼言うなら私に言ってや〜」
「ありがとうございます」
「……ほんまにいい人ですね」
「普通やと思いますけど」
「健ちゃんとおるからかな？普通の人に感動する」
「おいっ！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 143人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三十谷みそ | 作成日時：2024年3月4日 23時
