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久しぶりに喋ったな。
八つ下の幼なじみは、テスト勉強のせいか疲れた顔をしていた。親同士の仲が良くて、昔は家族ぐるみの旅行が定番だったけど、ここ数年は俺の仕事のせいもあって、集まる機会はグンと減った。
「おはようございまーす」
トボトボ歩いていた幼なじみとは反対に、意気揚々と楽屋に入って来たのは小島だった。
「おーおはよう」
「あ、今日靴おそろやん」
「まじで？」
「ほら」
そう言ってズボンの裾を上げてみせた小島の足元は、俺のと同じ、コンバースのハイカットだった。
「ちょいデカめのを、紐ビタビタに絞めて履くのが渋いんすよ」
「そんなんAも言うとったなぁ」
「A？」
「あ、幼なじみな」
「へー、さすが誠也くんの幼なじみ。分かってますね〜」
Aのことを褒められて悪い気はしない。
小学校の通学路の途中にいる犬が怖くて俺の後ろに隠れたり、体育の授業でダンスができないと泣きついてきたり、妹がいたらこんな感じだったかもしれない。
「そういえば小島て妹おったやんな？」
「おるなぁ」
「仲良い？」
「良いっすよ。家ん中でよく遊ぶし」
「二人ともデカいのに何するん？」
「え〜何て言われてもな〜。カードゲームしたり、普通にだべったり」
「はぁ〜」
「興味あるんか無いんかどっちやねん」
「すまんすまん、あるねんで」
普通にだべる、なぁ。
男女の幼なじみが年齢と共に離れていくなんてよくあることだろうし、Aが素っ気なくなったのも仕方のないことと諦めるべきか。
けど、『いってらっしゃい』だったのだ。
別れ際にAが口にした挨拶が、バイバイじゃなくていってらっしゃいだったという、それだけのことで簡単に緩む口元を、頬杖をついて隠した。
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三十谷みそ(プロフ) - いとしなもんさん» いとしなもんさん。コメントありがとうございます！めちゃくちゃ嬉しいです😂亀更新ですが、最後までお付き合いただければ！ (2023年4月17日 14時) (
レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
いとしなもん(プロフ) - コメント失礼致します。末澤さんとの入れ替わりがとてもワクワクして面白く続きが早く気になりました🥰末澤さんとの掛け合いも面白すぎてこれからもとても楽しみです。引き続き応援しております💐 (2023年4月14日 4時) (レス) id: a0d3106a6a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三十谷みそ | 作成日時：2023年3月26日 18時
