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「その後、先輩が鏡見たら」
あかん。
「肩に長い髪の毛が付いてて」
めっちゃトイレ行きたい！！
チューハイ一気飲みするんやなかった！
怪談話に集中できないおかげで怖くないから、ある意味成功かもしれないけど。
旅館には共用のトイレが部屋の外にあるだけだ。
つまり、薄暗い廊下に出なければトイレに行けない。
頼りの女友達はというと、一人は怪談話の真っ最中だし、もう一人は彼氏とくっついていて引き剥がすのも忍びない。
今、隣にいるのは…
「こ、小島っ」
うっすら見える浴衣の袖を引っ張ったら、なんとなく察してくれたのか、小島は三角座りのまま私の隣にぴったり寄って来た。
トイレついて来てくれへん？
そう言葉を続ける前に、小島の手が私の手をギュッと掴んだ。
い？！何してんの？！
怪談よりトイレより、小島に全意識が向かう。
手が！小島の手が！
背中をはたかれたことはあるけど、手を握られたことなんかない。
想像よりも大きくて、ちゃんと男の子の手だ、と思うと緊張してきた。
足をジタバタさせたくなる気持ちを抑えて、ドキドキしながら小島の方を見たら、
………は？
なんであっかんべーやねん。
一気に現実に引き戻されて、トイレのことを思い出した。
もう一度、今度はさっきより強めに袖を引いたら、小島は私と一緒に部屋を出てくれた。
「話途中やったのにごめん」
「そんな怖かったんか」
「話は怖ないけど…トイレ行きたくて、廊下が怖い」
「うはっ！子どもや〜ん」
「うざ。やっぱはーちゃんに頼むんやった」
「ついてったるから文句言うなや」
そう言ってトイレに向かって歩き始めた小島の後ろを、慌てておっかけた。
ほんま、優しいんか優しくないんか。
トイレから出ると、前髪をかき上げて窓ガラスとにらめっこしている小島がいた。
「あんがとー」
「お、早かった」
「一人でおんの嫌すぎて速攻で出した」
「出したとか言うなや」
「えへ」
スッキリして部屋に戻ろうとしたら、小島に呼び止められた。
「なんか食いもん買いに行こや」
「あー、そういえばおつまみ無かった」
こうやって意外と周り見れてる所がズルい。
「下の売店開いとったらええな〜」
そんな願いも虚しく売店は閉まっていたので、私と小島は近くのコンビニまで歩くことにした。
旅館を出る時に「さむない？」と気遣われたことに、またドキドキしてしまった。
なんか調子狂う。
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三十谷みそ(プロフ) - kkさん» うわぁぁ現場で佐野兄を見れたなんて羨ましいです！自分が書いたものを好きと言ってもらえるのが嬉しすぎて😭これからも楽しく書かせていただきます〜！ (6月26日 0時) (
レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 三十谷みそさんが書かれるお話どれも好きでいつも楽しく読ませて頂いてます！中でも先日あげられた佐野くんの指きりげんまんが好きです❤︎全ツで実際に佐野兄が赤ペンラ持っている姿を見たので情景がお話な浮かび面白かったです！ (6月25日 14時) (レス) id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三十谷みそ | 作成日時：2023年2月2日 22時
