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「いつまで？」
「明後日の昼には解放する」
「みじかっ！」
素直にびっくりしてしまうところが可愛い。
「お母さんとお父さん旅行から帰ってくるから」
「実家で誘拐すな」
「一番くつろげる所やん」
「そらそうやけど」
YouTubeが見られるテレビのリモコンを渡したら、大ちゃんはしばらくポチポチとチャンネルを回していたけど、結局ユーチューバーのチャンネルに落ち着いたようだ。
私も隣に並んでテレビを眺めた。
たまに大ちゃんの肩が揺れて、声は出さずに薄く笑っていることが分かった。
「晩ごはん何食べたい？」
「……カレー」
「そんなんでいいん？」
「カレーやったら誰が作っても美味しい」
「失礼な。ちゃんと料理できるわ」
とはいえ、カレーなら買い出ししなくても作れるからありがたい。炊飯器をセットして野菜を切っていたら、大ちゃんがテレビの音量を落とした。
「俺カレー好きやねん」
「うん」
「昔から。お母さんのカレーも好きやったけど」
そこまで言って声は止まった。
「お茶いる？」
「いい」
気合を入れるには弱いような、ため息と呼ぶには強いような、そんな息を吐き出して大ちゃんはこたつ布団を肩まで引き上げた。
眠そうにも見える目は、ぼんやりとテレビボードの中を眺めている。そこには大ちゃんの出ている作品のDVDが並んでいるはずだ。
「お仕事してる時ってめちゃくちゃ楽しくて、どんだけでも動ける気すんのよな」
「うん」
「やから自分の調子あんまり分からんねん。体も、心も。気付いたらいろいろぶっ壊れてたりして」
「松竹の時みたいな？」
もう5年以上前だけど。
あの時のことは今でもはっきり思い出せる。
舞台の上でもフラフラで、最後にはスタッフさんに支えられながらはけていった背中。
誰が見ても頑張っていた。
誰も責めたりしないのに。
責任感の強い大ちゃんは、客席に手を振りながら、悔し涙を浮かべていた。
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三十谷みそ(プロフ) - kkさん» うわぁぁ現場で佐野兄を見れたなんて羨ましいです！自分が書いたものを好きと言ってもらえるのが嬉しすぎて😭これからも楽しく書かせていただきます〜！ (6月26日 0時) (
レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
kk(プロフ) - 三十谷みそさんが書かれるお話どれも好きでいつも楽しく読ませて頂いてます！中でも先日あげられた佐野くんの指きりげんまんが好きです❤︎全ツで実際に佐野兄が赤ペンラ持っている姿を見たので情景がお話な浮かび面白かったです！ (6月25日 14時) (レス) id: 797470a670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三十谷みそ | 作成日時：2023年2月2日 22時
