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お茶を飲んでたら全部吹き出してた自信ある。
衣装の着崩したブレザーがよく似合うひなちゃんが、にやにやしながら私の顔を覗き込んでくる。
「みっちーと……いやいやいや！私なんか足元にも及びませんって感じだし！」
そう答えたら、不服そうに睨まれた。
睨んだってかわいいだけだよ、ひなちゃん。
などと言っても流してもらえず、しばらく質問攻めにされている内に私もメイクさんに呼ばれてしまって、その話はうやむやになった。
・・・
みっちーと二人のシーンを撮り終えて、再度休憩になった私はトイレに向かっていた。
撮影はドラマの時系列に関係なくシーンごとに撮るから、みっちーとの恋愛シーンは今日が初めてではない。
けど、確実に前よりも今の方が"良い"自覚がある。
それは現場の雰囲気に馴染めたおかげか、それとも…さっきのひなちゃんの言葉を思い出して、体がムズムズした。
みっちーと恋愛かぁ。
トイレの入り口まで来た時、中から話し声が聞こえて、私はなんとなくドアを開けるのを待った。
この声はひなちゃんだ。
「さっきのシーンやばかったよね」
「うんうん、二人がハグしてるとこ見てたら笑えちゃった」
「道枝くんもご愁傷様〜て感じだね」
「分かる〜。まぁ、相手がAさんだから」
「しょうがないか」
一緒に喋っているのは松崎ちゃんだろうか。
二人の笑い声を聞いて、心臓がヒュンっと縮んだ気がした。
笑われてたんだ。
私は恥ずかしさでいっぱいになって、その場を走り去った。
階段を上る時にみっちーとすれ違った。
名前を呼ばれた気もしたけど、顔も見ずに義務的な「おつかれさま」を言うことしかできなかった。
撮影していた教室のある階を離れて、屋上の手前の踊り場まで来たところで、私は力なく座り込んだ。
ひなちゃんたちの笑い声が頭の中で響く。
やっぱり、不釣り合いなんだ。
制服を着てても、みんなから見たら私なんかおばさんだし、全然かわいくない。
みっちーと仲良くなれて調子に乗ってた。
この後も二人のシーンがあるのに。
やだ。並びたくない。
ひざこぞうに頭を押しつけてうずくまっていたら、下から足音がした。
「Aさん？」
慌てて顔を上げると、ひょっこり顔を出したのはみっちーだった。
「どうしたの？」
「こっちのセリフや」
形の良い眉が八の字に下がっている。
心配して様子を見に来てくれたんだなと思うと、単純な体はまたムズムズし始めた。
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黒雷憂無(プロフ) - コメント失礼します。神様のねがいごとの長編見てみたいです！ (3月10日 1時) (
レス) id: 3082381280 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - シキさん» シキさん、コメントありがとうございます！うわ〜嬉しい！ぜひ長編をお待ちくださいませ！ (2022年12月7日 22時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - コメント失礼します！神様のねがいごと、めちゃくちゃ続き気になります！よければ長編楽しみにしてます♡ (2022年12月7日 3時) (レス) @page39 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
三十谷みそ(プロフ) - yuksaさん» yuksaさん、コメントありがとうございます！読みたいと言ってもらえると書きたくなりますね(笑)嬉しいです。続きアップできるようにがんばります。 (2022年12月3日 0時) (レス) id: 0083c24134 (このIDを非表示/違反報告)
yuksa(プロフ) - はじめまして。神様のねがいごとの続き、すごい読みたいです。面白かった！ (2022年12月3日 0時) (レス) id: 1137319ed0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三十谷みそ | 作成日時：2022年4月6日 23時
