陸 ページ6
新造出しまで、2週間を切った頃。
「姉さん、朝餉の時間でありんす」
花「んー…あぁ…今日はいりんせん…。蛍、わっちの分まで食べてきなんし」
「珍しい…昨日、何かあったかえ？」
姉さんは、いつも時間には起きてくるのに…
今日は布団に入ったまま、扉からの覗く私に背を向けて寝転がっていた。
体調でも悪いのかしら…。
花「なんじゃ喉の調子悪くて…」
「そう…お大事にしておくんなんし。今日は体に良いものを買ってきんす。」
花「あぁ、ありがとう」
私はスーッと部屋の扉を閉じて、皆が朝餉を食べる部屋に向かう。
姉さん…普段体調崩すことなんてないのに…。
大丈夫かしら。
喉の調子が悪い、と言っていたから…ただの風邪だと良いけれど。
私は姉さんの分のご飯を取り、食べようと座った。
その時。
内「お客さん困るよ！蛍はまだ禿だし…女郎に会いたいなら夜出直してきな！」
店の入口で
…私の名前？
私にお客が来てるの？
でも私はまだ自分のお客を取れない見習い。
私と面識がある客といえば、姉さんのお客しかいない。
…こんな朝にくるような、非常識なお客なんていたかな？
葵「姉さん、お客？」
「わかりんせん…ちょいと出てくるよ」
朝餉を置いて、私は内儀さんが叫んでる入口の方へ向かう。
なんて非常識なお客…どんな人かしら。
「内儀さん、何事だえ…」
内「あぁ、蛍！この武士は知り合いかい！？」
「そもそもわっちに客なんて……え、」
一体どんなお客だろう、と私は外へ顔を向ける。
ゾ「なんだよ、いるじゃねぇか」
そこにいたのは、この間の…海外の武士さん。
名前は確か、ゾロ十郎と名乗っていたっけ。
なんでここに…？
「あ…お、内儀さん！この方わっちの知り合いでありんす！」
内「え？そうなのかい？でもこんな早くに訪ねるなんて…」
「わっちから注意しておきんす！それより、花魁が体調崩していんす。様子を見てきておくんなんし。」
内「あら！それは大変だ！」
内儀さんは、バタバタと郭の中へ入って行く。
内儀さんは、色んな遊女やお客を見てきただけあって人を見る目がある。
もし、ゾロ十郎さんが海外の人だと知れたら危険だものね…。
ゾ「…ちと、外行かねぇか」
「ええ、わっちも同じこと考えておりんした。」
私たちは、そのまま遊郭の街へ出た。
終わり
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おはよ - 面白いです！更新してくれると嬉しいです (2023年3月23日 9時) (
レス) @page6 id: d4f6705fb9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - 和恋さん» 和恋さん初コメありがとうございます(^^)これからも更新頑張りますので、どうぞよろしくお願いします！ (2021年8月31日 18時) (レス) id: b4c9c386da (このIDを非表示/違反報告)
和恋(プロフ) - めっちゃ好きです！更新待ってます！ (2021年8月26日 21時) (レス) id: 736c16840a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：チバ | 作成日時：2021年8月25日 16時
