Anothers ページ40
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2018年12月24日
僕の親友が、死んだ。
東京と京都に無数の呪霊が撒かれて、
大パニックを起こしたあの日。
京都には、歌姫や既に力を持っていた葵だったり
七海も向かったけど、それでも被害は抑えきれなかった。
東京校では、校舎の損傷が酷く、修復作業が開始する。
負傷者の手当は中間地点の愛知で行われ、
京都・東京の負傷者が集められていた。
「…よ、A久しぶり」
そこには当然、京都校の補助監督もいてさ。
Aを久しぶりに見て、つい声をかけてしまった。
「…久しぶり、先生」
「Aは怪我してないの？」
「……私は大丈夫。私はね」
含みのある言い方が少し気になったのと、
一切こちらを見ない視線の先。
そこには、顔に布を被せられた男が横たわっていた。
……うわ、まじ？
僕の話しかけたタイミング悪。
「……京都もさ、動ける術師かき集められて」
「…うん」
「美崎の方のお母さんも来てたの」
「あー…まぁ美崎家は呼ばれるよね」
美崎家の相伝術式は、鏡の術式。
相手の術式を反転させるものだ。
致命傷は与えられないけど、サポートにはとても効果的な術式。
「………………お母さんのことさ、庇ってくれたの。旦那が」
「……そっか」
「私はさ、もう縁切ってるし…どうでもいいって思ってたのにさ。
旦那は…あんな母親のことも大事にしてくれたの。生きてたらいつか分かり合えるかもしれないよって。」
Aの大きな目に、涙が溜まる。
その涙が、溢れるようにこぼれ落ちた。
「……優しい人だったんだね」
「……うん、とても」
あぁ、
Aは、本当に本気で、旦那さんのこと愛してたんだな。
僕に対してはさ、恋してくれてたのかもしれない。
でも、旦那さんのことは愛してたんだね。
「……彼がいなくなったら、私……っ」
旦那さんもきっと、深く、優しい愛を向けてくれてたんだね。
僕は今日、初めて失恋したことを実感した。
頭をぽん、と撫でると、うわぁっと子供のように泣き始めてしまうA。
今までありがとう、A。
僕と出会ってくれて、好きになってくれて。
Aのこと大好き…だったとは、まだ言えないし
Aを撫でる手に少しの下心を込めることを、今はまだ赦して。
「……大丈夫、Aの周りには愛が溢れてるよ。」
28歳。
親友と愛した女の子をなくした日。
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ゆずの(プロフ) - プスメラウィッチさん» 初めまして！コメントありがとうございます。お返事を出してしまうとネタバレになってしまう…と思い、最終回を迎えるまでお返事出来ずにすみません(;_;)お望みの展開では無かったことと思いますが、コメントと応援、ありがとうございました！ (2022年4月24日 22時) (
レス) @page39 id: 2bc9dda23a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか？できれば五条悟オチでお願い出来ますか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年5月16日 4時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずの(プロフ) - みさとさん» 初めまして、コメントありがとうございます！そんな風に言っていただけて光栄です…！ただ、色んな恋愛はしてきてませんよ！完全なる耳年増です(笑)これからもご愛読のほど、よろしくお願いします！ (2021年3月25日 20時) (レス) id: b4c9c386da (このIDを非表示/違反報告)
ミラ(プロフ) - ゆずのさん» めっちゃバッサリですね笑 でも分かります。ちょっと…ねぇ笑 ってなりますよね！！これからも楽しみにしてます(o^^o) (2021年3月25日 19時) (レス) id: 23e9cd344d (このIDを非表示/違反報告)
みさと - 言葉一つ一つがエモすぎます…。作品の雰囲気というか、世界観がとても独特であっという間に惹かれました。これは色んな恋愛を経験してないと書けない話ですね…！すごく深く、考えさせられる作品だなと思います。ここまで惹かれる作品に出会ったのは初めてです。 (2021年3月25日 19時) (レス) id: 2172d07eb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆずの x他1人 | 作成日時：2021年3月25日 1時
