これは運命でしょうか？ ⑨ (ページ9)

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すると、美緒が小さい声で私に話しかけてきた。

美「ねぇ、さっきから渡辺翔太が言ってる俺のファン
　の子ってAのことじゃない？笑」

『そ、、そうかな？笑』

美「そうでしょ！
　だって完全にこっち見てたし！」

『そうだといいな。笑
　でもほら、他にも翔太くんのファンの子いるし。』

美「いや、絶対そう！
　他にもいるけど、Aしか目に入ってない
　感じがする！」

美緒がそんなことを言うもんだから、翔太くんの方を見ると、しっかりと目が合った。

目が合った翔太くんは少し微笑んでくれて、私も微笑み返す。

美「ほら言った！
　やっぱりAのことしか目に入ってない
　じゃん、渡辺翔太。笑」

『素直に嬉しいって思っていいんだよね、これ。』

美「好きなんだから、いいんだよ！
　 Aも渡辺翔太しか目に入ってないみたい
　だし。笑」

『俺だけを見ててって言われたから。笑』

美「はぁーん。笑
　渡辺翔太もなかなかやるじゃん！笑」

『翔太くんに言われずともそのつもりだけどね！笑』

そんな話をしていたら、いつの間にかMCは終わったみたいで、次の曲のスタンバイに入っていた。

その後もライブを楽しみ、アンコールも終えて美緒とすごかったねって。

周りのファンの子たちの、「翔太くんカッコよかった」という言葉に、なんだかこっちも嬉しくなるけど、私の知らない翔太くんのアイドル時代をこの子たちは知っているのかなと思うと心が少し痛くなった。

でも、このライブを見て翔太くんの凄さだったりカッコよさとかを改めて見ることができて、来て良かったと心から思った。