これは運命でしょうか？ ③ (ページ5)

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私はその後も話を進める。

『2回目は休みの日に、帝国劇場の絵を描きに行った
　らまた会って、1万円返せたの。
　でもね、1万円返せたのはいいんだけど、
　その代わりに舞台のチケットもらっちゃって。』

美「あー、Aいつも描いてるもんね！
　そのチケットは1万円男が出てるやつなわけ？」

『たぶんそうみたい。
　私、ジャニーズに詳しくないからって言ったん
　だけど、それなら舞台を見て俺らを知ってほしい
　って言われちゃって。
　詳しくても詳しくなくても、そんなの気にしなくて
　いいからって。』

美「なんだか、ロマンチックー！
　 1万円男、絶対Aに惚れてるね！笑」

『なんで、美緒はいつもそうなっちゃうかな？
　それは、ないって！』

美「A。よーく考えて！
　惚れてない女に、自分が出る舞台のチケット
　あげますか？って話よ！
　普通ならあげないね！」

『いや、これは1万円の代わりだもん！
　たぶん、何もしないのは申し訳ないからっていう
　彼なりの優しさなんじゃないかな。』

美「で？Aは行くの？」

『行くって言っちゃったし。
　行く、しか、ないよね？』

美「行くしかないねー、それは！
　まぁいいじゃん！
　それで、1万円男の気が済むならさ！」

『そうだよね！
　行って、お礼言って帰ってくれば大丈夫だよね！』

なんだか、自分で自分に言い聞かせているような気分になった。