＊Beauty and audacity〜御幸一也の場合〜 ページ5
毎日の日課のごとく、１年生投手２人にボールを受けろ受けろ、と追っかけられていた。
あまりにも煩いからなんとか巻いてこっそり隠れてたら別の人に見つかった。
「御幸、モテモテですな」
「A先輩」
意地の悪い顔をして、そんな声をかけてきたのは沢村A先輩。
先ほど自分を追っかけていた投手のうちの１人沢村栄純の姉でもある。
･･･････全然似てねぇけど。
「ずっと見てたんっすか〜？」
「うん。見てた」
その言葉に、少し鼓動が早くなるのを感じる。
誰だって、自分が気になっている人にそう言われて、嫌な奴はいないと思う。
でも、何となくだが･･･その言葉には続きがあるような気がしていた。
「栄純をね」
･････････この人、困ったことに弟しか見てないらしい。
弟大好きすぎるもの問題あるだろう。
ただ、不思議なことがひとつあった。
「A先輩」
「ん？」
「なんで沢村の球、受けてやれって俺に言わないんですか？」
大好きな弟の為に、俺に直談判しても正直おかしくないと思っていた。
それなのに、未だにA先輩からは何もなかった。
正直、それが不思議だった。
「俺、あなたに言われたら、断りませんよ」
座ったままの状態で、下からA先輩を見上げた。
軽口なんかじゃなくて、本気だった。
この人に言われたら、たぶんなんだってやるだろう、自分は。
そんな俺の姿をキョトンとした顔で見つめる。正直、その姿さえ可愛いな、と思った。
「･･･御幸が意地悪で２人のボールを受けないわけじゃないって信じてるから･･･かな」
今度は、自分がA先輩の言葉にキョトンとする。
「御幸がチームの為に２人のことを考えてくれているのは、ちゃんとわかってるから」
破壊力抜群の笑顔で、彼女はそう笑う。
その笑顔と、彼女の言葉の意味を噛み締めて、俺はニヤケる顔を正直抑えられなかった。
この人は、ちゃんと自分を見てくれているのだ。
「何笑ってるの？」
「いや･･･A先輩って俺のこと好きなんだなぁと思って」
「･･････････まって。意味わからない」
「そのうちわかりますよ」
意味深な俺の笑顔に、ひたすら不思議そうな顔をする。
ちゃんとこの人は、俺を見てくれている。
今はまだこれで充分だ。
でも早く気付いて欲しい。
それだけ俺のことをわかってるんだから、俺のことが好きなんじゃないかってさ。
(まあ、ただ待つわけがないけどな)
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うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！更新停止状態のままですが更新はされるのでしょうか？ (2020年9月14日 21時) (
レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
六歩(プロフ) - 空さん» ご指摘ありがとうございます！訂正させていただきました(^-^) (2018年7月22日 0時) (レス) id: b12c942fda (このIDを非表示/違反報告)
空 - 益子じゃなくて増子ですよ〜＾＾ (2018年7月13日 22時) (レス) id: e5333279ca (このIDを非表示/違反報告)
六歩(プロフ) - うたプリ大好き?さん» コメントありがとうございます。更新頑張ります。 (2018年6月20日 9時) (レス) id: b12c942fda (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になっています！もう更新されないのでしょうか？ (2018年5月25日 3時) (レス) id: 4e8990689c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：六歩 | 作成日時：2016年5月7日 16時
