アイドルとアイドル Kota.Y

rehearsal ページ24

光の様子に違和感を感じたまま日々は過ぎた

違和感の理由はわかならいけど
伊野尾の言う通りなのかもな…

そう考えるとちょっとモヤっとするけど
光の事を応援したいし、やはり俺には見守るしかできなかった


2週間はあっという間で気づけばライブ当日
ゲネプロ前に聞こえた会話が気になった


高木「今回の招待席どこ？」


マネ「メインステージの上手側スタンドと、いつものボックス席…
　 あ、高木君と八乙女君のチケットは下手スタンドです」


お礼を言いながら高木が去っていく


「ねぇ、光の招待客って一人？」


マネ「はい。確か…『良い席で！』って頼まれたので
　 2日連続キャンセル枠の中で一番見やすそうな席リクエストしておきました
　 薮君のところはご家族なのでボックス席ですが…よかったですか？」


「うん。ありがとう。」


その後すぐ招集がかかった


今回は光と二人だけで歌う曲がある

何がって言うわけじゃないけど
やっぱり二人の曲って言うだけで特別な曲
自然と力が入る


スタッフの指示通りステージ下手にスタンバイ

え、俺が下手なの…


俺の登場位置はAちゃんが座るであろう下手スタンドの真横
光が近い方がいいよね

この前はＭＣだし、最終的には移動するから
逆になっても問題ない…

せっかく光がオーダーした「良い席」だもんな



曲終わり、はける時に光に伝える


「この曲の登場位置逆にしてもいい？」


光「？いけるよ？」


「サンキュ」


その他小さな修正点はあったものの
リハも順調に進む


その後、再度登場位置を光に確認したら
すれ違いざまに言った事なのにきっちり覚えていて

さすが光だな…
やっぱりこの曲は大切に歌わないとな…なんて思ってしまう


光を好きだと自覚してから
光の事を今まで以上に見るようになった

でも見れば見るほど切なくもある


俺のものにはならないんだなって思うから…

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