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Trigger ページ34

光がもうすぐ来てしまう前にと動いた俺の体は
Aちゃんに顔を近づけ、キスまで数センチの距離で止めていた


いくら、Aちゃんでも
好きでない男にこうされたら怒るはず
その時に「光を好き」だと口にするだろうから
廊下にいる光に気持ちが届く…


Aちゃんは、少し驚いた表情を見せてから
俺を避けるようにして顔をずらした

A「…ちょっと、やめて」


そのまま文句の一つでも言い始めるかと思ったけれど
Aちゃんは何も言わない


Aちゃんの目にはドアを開けたばかりの光の姿が映っていた

思ったより光が来るのが早くて、まさかこの状況で鉢合わせするとは思っていなかった

狙った事がうまくいかず
一瞬、どうしよう…この状況勘違いされるかもな…と焦ったけれど
光の驚いた表情を見て"勘違い"したのが確信に変わったから
それはそれでうまくいくんじゃないかと、内心喜んでいた


案の定、光が険しい表情でこちらに向かって歩いてくる


何を言われるだろうか
表情からして俺に怒っているのは間違いない


光に何も言わずにAちゃんを呼んだ事?

抜け駆けした事?

本当はしていないけれど、Aちゃんにキスした事?


俺の目の前に立つ光を見て
あぁ、全部ひっくるめて怒ってるのかなと思ったけれど
光から発されたのは予想外な理由だった



光「嫌な気持ちにさせるくらいなら、俺が守る」


どこまでも光らしいと思った
怒ったのは光自身が嫌なんじゃなくて
Aちゃんが嫌がったから

俺は光のそう言うところが好きなんだ
幸せになってもらわないとな
わかりきった答えを光の口から言ってもらおう


「…誰を?」


光「A姉に決まってんだろ!」


見事なほど綺麗に決まった台詞
俺はにやけずにはいられなくて
そのままAちゃんの方を見る


「…だって」



戸惑うAちゃんと
思わぬ形で気持ちを吐露してしまい焦っている光

俺には二人のこの雰囲気すら愛しかった


沈黙を光が破る


光「部屋どこ」


A「…306号」


光がAちゃんの手を引いて部屋を出て行く

素直に話せば万事うまくいく二人だと思うから
俺はただ出しゃばらないように黙っていた


二人がリビングを出るその瞬間

光「…おやすみ」

光からの謝罪と感謝の言葉だと思う
たった一言だけど、丁寧な"おやすみ"

"わかってるよ"と伝えたくて俺も同じ言葉を返す


「あぁ、おやすみ」


そのまま二人が出て行く音を俺は聞いていた

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裕莉(プロフ) - 彩佑実さん» すみません…外しました! (2017年9月8日 19時) (レス) id: 526ad07992 (このIDを非表示/違反報告)
裕莉(プロフ) - 瞳さん» ご指摘ありがとうございます。チェック入れてしまっているの気づいていませんでした。不快な気持ちにさせていたらすみません…。 (2017年9月8日 19時) (レス) id: 526ad07992 (このIDを非表示/違反報告)
彩佑実(プロフ) - オリフラ外して。 (2017年9月8日 16時) (レス) id: 4a3840fd47 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オリフラ、外してください。二次創作なので。 (2017年9月8日 15時) (レス) id: 6ad02585f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:裕莉 | 作成日時:2017年8月12日 20時

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