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今日は外回りの山田と会えるタイミングはもうなくて
良くも悪くも落ち着いて仕事ができた
怒涛の一週間が終わろうとしている
仕事のキリのいいところまで仕上げて
時計を見ると定時から2時間近く経っていた
スマホには1時間前の未読が一件
中身はちぃちゃんから飲みのお誘いだった
七海や中島たちと飲んでるのかな
あわよくば山田も居るかもしれない
1時間前ならまだみんないるだろうと
参加意志のスタンプを送る
その後送られてきたお店に入って
案内された席で私の頭はまたもや疑問でいっぱいになる
今朝と違うのはその疑問を
口に出せること
「…みんなは？」
知「…ずっと僕1人だよ」
同期の中でも珍しくあだ名で呼ぶ関係で
決して仲が悪いと思ったことはないけれど
社外で2人だけというのは記憶にはなくて
「珍しいね」
知「1回くらいいいかなって」
次はない、という含みのある言い方に
少し引っかかったけど
とりあえずビールを頼みながら席に着く
「仕事どう？」
なんて当たり障りのない会話をふったのに
知「営業ニ課にとんでもないエースがいるからね
入社してから僕ら一課は負けてばっかり」
出てくるのは山田の名前
「営業課ではエースかもだけど
経理としては書類ミス多くて困るよ
ちぃの書類完璧なのに」
知「ほんと…人それぞれだよね」
運ばれてきたビールを
軽くちぃのジョッキに当てて乾杯
一口飲んだその時だった
知「でもさ、Aは書類ミスないと営業課に来れないでしょ」
いきなりの予想しない台詞に
ビールの苦味がいつもより口いっぱいに広がる
知「ミスがあるから、涼介に会いに来れるじゃん」
「ちぃちゃん…」
知「バレてないと思ってた？」
何を言うのも誤魔化してるような気がして
ただ首を縦に動かす
知「ふふっ。誰にも言わないから」
笑った言葉とは裏腹に
視線は下に落ちていて
いつも以上に何を考えてるのかわからない
「…これ確かめたくて呼んだ？」
知「確かめなくても分かってるよ」
そんなに分かりやすかったのか…
「ってことは、山田本人にも…」
知「あんな鈍感な人見たことない」
追加で置かれた枝豆に手を伸ばしながら
ちぃちゃんは話を続ける
知「涼介ってさ、仕事バカだから
あの顔なのに彼女も居なくて…
…まぁ本人が悪いんだけど
もったいないなと思うよ」
まるで山田の保護者
そんなちぃちゃんの話を黙って聞いていた
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裕莉(プロフ) - 相川あゆさん» コメントありがとうございます！亀更新で申し訳ないですが、ラストはある程度早めに書き起こせると思うので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。 (2021年8月28日 22時) (
レス) id: 8affa1dc54 (このIDを非表示/違反報告)
相川あゆ - 楽しみにしています (2021年8月28日 16時) (レス) id: ea882a5465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：裕莉 | 作成日時：2021年8月14日 0時
