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駅から学校とは反対側にある公園で

なぜ桐山先生の婚約者が学校にいたのか
中間先生からの話を大ちゃんに聞いた




「結婚式の披露宴で
サプライズでムービー流すんだって
それに俺らから桐山先生に内緒で
一言づつ欲しい。って…」



何ていいお嫁さん…

私も…桐山先生のお嫁さんになれたら
そんな事したかったなぁ…



「そっか…」



「無理に写らなくてもいいとは思うけど…」



「こんなにお世話になってる私がいなかったら
それの方が変でしょ。大丈夫、
おめでとうくらい言えるよ」



ベンチで横に座るだいちゃんは
何も言わないけど
私の話を真剣に聞いてくれていた


「桐山先生が幸せならそれでいいかな…
って思えてるの
私には私の幸せがきっとあるよね
先生よりいい人居るはず!」




強がりもあったけど、本音でもあった

衝撃は受けたけど
案外ショックではない



大ちゃんが立ち上がって数歩進む

その後聞こえてきた言葉は予想外のものだった




「俺で良くない?」



「ちょっと今つっこむ気力ない」



「…本気で」



振り返った大ちゃんの表情から
冗談じゃないんだって伝わってくる




「返事が欲しいとかそういうんじゃないんだけど

さすがに桐山先生の次に
他のヤツ現れても嫌だし

気、紛れたっしょ。
俺さ、Aを笑顔にするのなら誰にも負けたくないの」




「ん…
ありがとう」



2人の間を気持ちのいい風が抜けていく
ちょっと心が軽くなった気がした



「とりあえず、先生の事
吹っ切れてから…でもいいかな」



「うん。ゆっくりでいいし
なんなら、俺が先生になってからでも…」



「え?」



「俺、実は進路希望、教育大学にしてて…

アイツよりいい先生になるよ?」




明らかに無理して作ってるのに
なぜか大ちゃんの笑顔はまぶしくて
少し目を逸らしてしまった



「…そうなったら考えてあげなくもない」




長い夏の一日と言えど
結構な時間が経っていて
太陽はかなり西の位置にあった


大ちゃんごしに見える
オレンジの夕日が心にしみる



ねぇ、先生

今前にいる人のおかげで

ムービー撮影までには笑顔になれそうだから

その時はちゃんとお祝いさせてね



大好きでした







orange × orange
sunny teacher


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作者名:裕莉 | 作成日時:2019年5月18日 10時

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