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今日は火曜日
桐山先生の研修日
毎週のことながら桐山先生がいない日はつまらない
お昼を食べ終え教室にいると
大ちゃんがイキナリ勝負を仕掛けてきた
「じゃーんけーん!…ぽん!」
咄嗟に出した私の開かれた右手は
大ちゃんのピースにバッサリ切られた
「俺の勝ち〜紅茶オレがいいな〜」
「え、何それ、そんな勝負だったの!?」
「火曜日だからってぼーっと生きてるからだよ!」
「…今回だけね。また今度倍にして返してもらう」
「おうおう!望むところよ!」
しぶしぶ了承して食堂横の自販機へ向かう
じゃんけんに勝ったはずの大ちゃんも何故か一緒
角を曲がった時
ふわりと舞う茶色の髪の毛が目に入った
中間先生につられたキレイな人
「A!ちょうど良かった」
「中間せんせー、彼女さんですか?」
「ちゃうちゃう。コイツは俺の同級生で
桐山の婚約者」
時間が止まったかと思った
婚約者?
桐山先生のって言った?
あれ、こういう時って
なんて言うのが正解なんだっけ?
後ろにいた大ちゃんの手が
私の背中を抱くように支えてくれたらしい
熱がふんわりと伝わってくる
「そうなんですね。
コイツちょっと気分悪いみたいで
保健室行く途中だったんで…」
「せやったんか。気づかんくてごめん
お願いしたいことあってんけど、有岡後でいい?」
「…保健室送り届けてからでよければ」
「もちろんや。ほなよろしく」
中間先生はいつものスマイルで
女の人は私たちに微笑みながらお辞儀をして
職員室の方へ向かっていった
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作者名:裕莉 | 作成日時:2019年5月18日 10時