講師控え室の恋 ページ37
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___誰もいない講師控え室、じたばたとしながらしゃがみこんで叫んだ。
「っもう！どいつもこいつも！」
岸優太、大学三年生、ここの塾でバイトを始めて三年目。そこそこのベテランだ。
『わ！何、岸奇声あげてんの？』
「あ、ナツ、今日付き合え！」
丁度居合わせた……ううん、誘いたかった子、同じく三年生のナツを誘った。
突然奇声を上げている上に、命令口調で誘われれば当然断られるだろう。
だけど、ハァ？と眉を顰める彼女を無視して、じゃ、授業行ってくるんで！と控え室を出た。
『ちょ、岸、！』
彼女の声を背に受けながら、教室に向かって走る。
言い逃げが勝ちだ！って言うのが持論。
というか、断られたら授業なんてしていられる元気はない。
*
「っうし、行くか」
『私行くなんて言ってないんだけど』
「ごちゃごちゃうるせー！ほら、いくぞ！」
彼女がタイムカードを切るのを確認して腕を引く。
行先はいつもの居酒屋、好きな子には格好つけてオシャレなレストランに連れて行ってあげたいけれど、岸らしくないね、って笑わられるのがオチだろう。
『……しょうがないなぁ、今日は岸の奢りだよ？』
こてんと首を傾げるナツ。くそぅ、カワイイ。
だけど今日は、と言ったけどいつも俺の奢りなのは気のせいじゃないはず。
「わーったよ、その代わり、たっぷり話聞けよ？」
『やった！あ、廉も呼ぶ？』
「……呼ばない」
この鈍感ヤロウめ、俺は、オマエと二人っきりがいいの。
『ふーん、まあ、廉酔うとめんどくさいし、……彼女いるしね』
一瞬切なげな顔をして、すぐにへらりと笑った。
俺は、ナツのことが好きだけど、ナツは廉が好きで、さらに言えば廉は他に好きな子がいてその子と付き合っている。恋愛はなかなか上手くはいかない。
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清良(プロフ) - お疲れさまでした！！塾シリーズほんと大好きで、伏線というか、みんなの関係性を統一するのって大変だと思うのですが、綺麗に書かれていてすごいな、かっこいいなと思いました！Twitterやってないので、ひっそりと応援してます！ (2019年6月23日 8時) (
レス) id: 7cb81e8898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=blueao5&scr=novel/jeyuto01...
作成日時：2019年5月18日 22時
