【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その９(春編)

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山田『それで…この後はどうなさるおつもりですか？』

山田先生が父上様に問い掛ける。
私は小平太に降ろしてくれるように頼み、ゆっくりとその場に降ろしてもらった。そして黙ってことの成り行きを見守っていた。
父上様は腕を組んで目を閉じ暫くの間無言を貫いた後、ゆっくりと目を開き、真剣な眼差しでこう告げる。

父上『…相手の城を落とす』

先程までの茶目っ気というか天然というかふざけた父上様は何処へやら。
しかし父上様がこう言い放ったということは戦をするということだ。
しかしみんなに動揺の色はない。むしろ当然の選択だみたいな空気が流れている。

利吉『我々も協力します。…予想以上に最低な殿様なようなので』

確かに、父上様を亡きものにして私と母上様を手元に置こうとする奴だもんな。

利吉『…Aと奥方様が居る前で言いたくはありませんでしたが、敵の殿は嫁がせた姫に飽きたら始末するという残忍な方法を取っていました。その前に自分に逆らえぬよう弱みを握ったり、今回のように奇襲を掛け城を落としたりしていたそうです』

は？何それ初耳なんだが。じゃあ、私はまじで始末されるかもしれなかったってこと？意味分かんない。本当にどこまで自分の欲に忠実なの…。
徐々に怒りという感情が湧いてきて羽織の裾をぎゅっと握り締めた。

利吉『姫様と奥方様、そしてご自分を亡きものにしようとした反撃として城を落とすことは正当でしょう。何より、敵の殿は奇襲に失敗したことを知りません。攻めるなら今です』

父上『分かっておる。…ワシが何も準備していないとでも思っておるのじゃろうが、万が一の為に戦の準備は予めしておいたのじゃ。悪い噂はワシの耳にも入ってきていたからの。迷惑をかけるが、敵の城を落とすまでワシを援護してくれ』

利吉『ご安心ください。先程も申し上げましたが、最初から協力するつもりです。それから敵の城には嘘の情報を流しましょう。そうすれば今ここで捕らえている忍者は任務に失敗した上に裏切り者として一生追われることになり、我々が直接手を下さずともいずれ…』

わ〜…凄い…こんな風に作戦って練っていくんだ。
なんだろう。不謹慎だけどちょっとだけワクワクしちゃってる自分がいる。

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