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母上様と父上様のやり取りを見ていた山田先生が苦笑いを浮かべながら二人を宥める。
山田『ま、まぁまぁ。こうしてみんな無事ですし…Aくんも良く頑張ったな。ご苦労さん』
「えへへ…山田先生に褒められると嬉しいですね」
不意に山田先生に褒められて満更でもない私は頬が緩む。
すると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
利吉『A』
「え…あ、利吉く、ん?!」
みんな『?!』
その声が利吉くんだと分かった時には彼の腕の中に居た。
突然のことに何が起こっているのか分からず、体を硬直させてしまう。
抱き締められている、そう分かった時にボンッという効果音がつく勢いで顔を真っ赤にさせた。
普段こんなことをしない彼から抱き締められるなんて、ましてやみんなの前でなんてと思うと頭はパニック、目はぐるぐるしてきてしまう。そして胸の鼓動がドクドクと早く脈を打ちとても五月蝿い。
「ど、どどどどどどしたの!?利吉くん…」
さすがに恥ずかしいので離してくれと彼の胸板を軽く押しやるが、彼は離す気はないらしく腕を緩めるどころか少し強める。
彼と更に密着する形になってしまった。羽織りと夜着だけなので、ほとんど直に彼の温もりを感じてしまう。
少し汗ばんでいる忍装束に彼がどれだけ必死に行動してくれたのか分かる気がした。
利吉『…来るのが遅くなってすまなかった。無事で本当に良かった』
耳元で悔しさを含んだ声色で小さく呟いた利吉くん。
彼が私をどれだけ心配してくれていたのかがよく分かる。
それなのに私は作戦を聞かされていないからって不満に思って…なんて子供なんだろう。自分の幼稚さに嫌気がさした。
「…利吉くん、私を助けに来てくれてありがとう。来てくれるって信じてた」
利吉『…約束しただろう?君は私たちが守るって』
「うん。…利吉くんも無事で良かった」
利吉『…君を残して死ぬ訳ないじゃないか』
少し体を離してお互いに見つめ合い小さく笑う。
すると、山田先生がわざとらしく大きい咳払いをした。
山田『ゴホン!…利吉。私たちが居ることを忘れてはいないか?』
利吉『え?あ、いえ…そんなことは…すまない、A。急に抱き締めたりして』
山田先生の言葉に利吉くんが私を離すと、少し恥ずかしそうに頬を掻きながら先程の行為を謝罪してくれた。
彼もおそらく衝動的な行動だったのだろう。私もさっき留三郎くんに駆け寄りたくなったし…。それと一緒だ。
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あい(プロフ) - またいつでもいいので風魔流忍術学園も出してほしいです (2022年4月3日 14時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 最終回までお付き合いするつもりです!! スタイルめっちゃ良いの羨ましい (2022年4月3日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 背高すぎじゃないですか?笑 あとスタイルよすぎw くの一回もう少し増えて欲しいですよね(^q^)ありがとうございます!とりあえずありきたりな話で申し訳ないんですが、お付き合い頂けると嬉しいです( ˇωˇ ) (2022年4月3日 9時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 私もゆきちゃん達が乱太郎より年上だとは、、でもよく見たら背がね、、www くのいち大好きなんですよ 可愛いから 可愛いすぎて爆発する、、 今回も面白いです いつも楽しみにしてて明日学校とか頑張ろうって思います 続き待ってます (2022年4月1日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 兵庫さん» ありがとうございます(´∀`*)幸せであって欲しいです本当に〜私が幸せにします(なんのこっちゃ)引き続き宜しくお願い致します(*´∀`*) (2022年4月1日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年3月14日 21時