9-33 ページ34
遠くから私を捜す留三郎くんと文次郎くんの声が聞こえて来る。捜していると言うより喧嘩してる。ここまで会話が聞こえてくるくらいめちゃくちゃ声がデカい。
もう少し雑渡さんとお話したかったなぁ…なんて思いながら渋々彼の膝から立ち上がる。
ゆっくり振り向いて座っていても目線があまり変わらない彼を見て口を開いた。
「全然お話出来てないですけど…そろそろ帰ります。また会えますか？」
雑渡『…君が望むならいつでも迎えに行くよ』
敵対している城の忍者ということは重々承知の上だが、私は出来れば仲良くしたい。手裏剣の打ち方だってまだ教わりたい。我儘だと言うことは分かっているが、たまには許して欲しいと思ってしまう。
口を一文字にきゅっと結んで目を伏せていると、雑渡さんの手が私の頬に伸びてくる。
頭巾の下で優しく微笑んでいる彼はそう約束してくれると、ゆっくりと立ち上がった。
雑渡『それじゃ、私たちも帰ろうかな。行くぞ、お前たち』
「あ…諸泉さん！」
諸泉『っ、はい？』
「諸泉さんにもきちんとお礼できていないのでお時間ある時に…その、お礼させてくださいね」
諸泉『いえ、ですからお礼をされるようなことはしていないので…』
雑渡『尊奈門、彼女の厚意を無下にしたらいけないよ』
諸泉『組頭…分かりました。では、今度の休日で宜しければ…』
「本当ですか！ありがとうございます！では、文をください。待ってますね」
諸泉『はい、必ず』
雑渡『それじゃあね、Aくん。また来るよ』
「はい。みなさんお気をつけて」
タソガレドキ忍軍の方々は木の上に飛び、直ぐに姿を消した。
手には最後に渡された団子が一つ。そして、石の上にはお土産用のお団子が置かれていた。
伊作『Aさん、僕たちも帰ろう。もうすぐ日が暮れるから』
「うん、そうだね。伊作くん、今日は一人で薬草採りに行っていたの？」
伊作『うん、本当は新野先生と行く予定だったんだけど、急な用事が入られてね。ところで、Aさんは何でタソガレドキ忍軍のみなさんと一緒にいたの？今日は用具委員会の手伝いって聞いていたけど…』
「あぁ…えっと、それはね…」
私は伊作くんと二人で森の中を歩きながら、ここまでの経緯を話す。
すると彼は苦笑いを浮かべながら『だから留三郎と文次郎が捜しに来ていたんだね…Aさん、忍術学園に帰ったら覚悟しておいた方がいいよ』と言われデスヨネーとなった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - またいつでもいいので風魔流忍術学園も出してほしいです (2022年4月3日 14時) (
レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 最終回までお付き合いするつもりです！！ スタイルめっちゃ良いの羨ましい (2022年4月3日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 背高すぎじゃないですか？笑 あとスタイルよすぎw くの一回もう少し増えて欲しいですよね(^q^)ありがとうございます！とりあえずありきたりな話で申し訳ないんですが、お付き合い頂けると嬉しいです( ˇωˇ ) (2022年4月3日 9時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 私もゆきちゃん達が乱太郎より年上だとは、、でもよく見たら背がね、、www くのいち大好きなんですよ 可愛いから 可愛いすぎて爆発する、、 今回も面白いです いつも楽しみにしてて明日学校とか頑張ろうって思います 続き待ってます (2022年4月1日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 兵庫さん» ありがとうございます(´∀｀*)幸せであって欲しいです本当に〜私が幸せにします(なんのこっちゃ)引き続き宜しくお願い致します(*´∀｀*) (2022年4月1日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りっか | 作成日時：2022年3月14日 21時
