9-22 ページ23
あれから一週間が経ったある日。
私はいつものように事務の仕事をしていた。
「えー…あとは門の掃き掃除をして、そのあと備品の補充…」
独り言を呟きながら箒を持ち、門へ向かっているとドンドンと誰かが門を叩く音が聞こえた。
小走りで門へ向かい戸を開けるとそこには利吉くんが立っていた。
「利吉くん！」
利吉『やぁ、A。久しぶり』
片手を挙げてにっこりと笑う彼を見るのはあの任務以来だ。…久しぶりって言うほど久しぶりではない気がするけど…ま、いいや。
入門票にサインを貰い、学園の中へ招き入れる。
「今日はどうしたの？山田先生に用事？それとも学園長先生？」
利吉『いや、今日はAにこれを渡しに来たんだ』
そう言って風呂敷包みを手渡された。
中身が何なのかは分からないけれど、利吉くんから貰うものはだいたい食べ物なのでその手の類だろうと勝手に思ってしまう。
「ありがとう。中身はお菓子？利吉くんも食べていくよね」
利吉『あー…食べ物ではないと思うよ』
その言い方だと利吉くんからの贈り物ではないってこと？じゃあ、誰だろう…と思いながら風呂敷包みを開いていく。
中には高価そうな反物が一つと文が入っていた。
驚きのあまり反物と利吉くんを交互に見る。
こんな高価な物、一体誰が…そこでハッとした。こんなの一人しか居ないじゃないか。
そして私は中に入っていた文を手に取り、折りたたんであるそれを開き中身を読んでいく。
『音無 A 様
まだ一週間しか経っておらんが、元気にしておるか。
妾も、父上も母上も城の者も、皆元気にしておる。
今回のことできちんと礼が出来ておらんかったからAに似合うであろう反物を見繕った。
喜んでくれると嬉しい。
その反物でAの着物を作ってくれ。
妾も同じ文様の反物で着物を用意した。
それを着て今度一緒に甘味処に行く約束を果たしたいと思っておる。忘れたとは言わせぬぞ。最初に言ったのはAの方なのだからな。
妾はいつでも都合がつくから、Aに合わせる。
都合の良い日時と場所を教えてくれ。
友達というものは、こうして時折会うものなのだろう？
会えるのを楽しみにしている。 舞鶴』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「忍たま」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あい(プロフ) - またいつでもいいので風魔流忍術学園も出してほしいです (2022年4月3日 14時) (
レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 最終回までお付き合いするつもりです！！ スタイルめっちゃ良いの羨ましい (2022年4月3日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 背高すぎじゃないですか？笑 あとスタイルよすぎw くの一回もう少し増えて欲しいですよね(^q^)ありがとうございます！とりあえずありきたりな話で申し訳ないんですが、お付き合い頂けると嬉しいです( ˇωˇ ) (2022年4月3日 9時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 私もゆきちゃん達が乱太郎より年上だとは、、でもよく見たら背がね、、www くのいち大好きなんですよ 可愛いから 可愛いすぎて爆発する、、 今回も面白いです いつも楽しみにしてて明日学校とか頑張ろうって思います 続き待ってます (2022年4月1日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 兵庫さん» ありがとうございます(´∀｀*)幸せであって欲しいです本当に〜私が幸せにします(なんのこっちゃ)引き続き宜しくお願い致します(*´∀｀*) (2022年4月1日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りっか | 作成日時：2022年3月14日 21時
