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土井『ということは、準備が出来たらこのまま敵の城へ向かうということですね』
山田『そうだな。敵がこちらの状況に気付いていない今のうちにAくんは5年生を護衛に付けてこのまま学園に戻りなさい。城内で敵の見張りをしている5年生をこちらに呼び戻すんだ』
仙蔵『分かりました。その間の見張りは我々6年生が交代で行います』
山田『うむ。残りの者は城で戦の準備を手伝うこと。Aくんを学園に送り届けた5年生が戻って来たら敵の城へ奇襲をかける。いいか、我々の任務はあくまでこちら側の城の援護だ。…出来る限り殺生はするな』
山田先生の言葉にみんなが無言で頷く。
戦をするのだから万が一ということももちろん有り得る。しかしどこか現実味のないこの状況に気持ちが追いついていかない。
なんて声をかけるのが正解?下手をすれば最後の会話になってしまうのに何が正解とかあるの?なんで私はこんな時に何も出来ない非力な人間なの…。
下唇を噛み締めながら地面をただ見詰めていると、誰かの足元が視界に入って来た。
ふ、と顔を上げると同時に頬を両手で掴まれる。
驚きのあまり目をぱちぱちと数回瞬かせた。目の前には仙蔵くんが片眉を下げて困ったように笑っている。
仙蔵『お前と言う奴は…本当に分かりやすいな。安心しろ、我々は誰一人として欠けることなく学園に戻ってくる。約束だ。それに学園に帰ったら端午の節句をするのだろう?Aの作った柏餅を楽しみにしているから作って待っていてくれるか?』
相変わらず私の考えていることなんてみんなにはお見通しの模様。
そうだよね、今まで彼らが約束を破ったことなんてないもん。きっと大丈夫。そう思いながら彼の手に自分の手をそっと重ねてへらっと笑ってみせた。
「うん…分かった。たくさん作って待ってるから、絶対に生きて帰ってきてね。約束だからね。約束破ったら…柏餅を持って地獄の底まで追いかけ回すから」
冗談めいたことを言うと彼は『ははっ、それは怖いな』と笑ってくれた。
そして私は5年生と共に忍術学園へと戻る準備をするのであった。
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あい(プロフ) - またいつでもいいので風魔流忍術学園も出してほしいです (2022年4月3日 14時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - りっかさん» 最終回までお付き合いするつもりです!! スタイルめっちゃ良いの羨ましい (2022年4月3日 10時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» 背高すぎじゃないですか?笑 あとスタイルよすぎw くの一回もう少し増えて欲しいですよね(^q^)ありがとうございます!とりあえずありきたりな話で申し訳ないんですが、お付き合い頂けると嬉しいです( ˇωˇ ) (2022年4月3日 9時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 私もゆきちゃん達が乱太郎より年上だとは、、でもよく見たら背がね、、www くのいち大好きなんですよ 可愛いから 可愛いすぎて爆発する、、 今回も面白いです いつも楽しみにしてて明日学校とか頑張ろうって思います 続き待ってます (2022年4月1日 22時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - 兵庫さん» ありがとうございます(´∀`*)幸せであって欲しいです本当に〜私が幸せにします(なんのこっちゃ)引き続き宜しくお願い致します(*´∀`*) (2022年4月1日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年3月14日 21時