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「あれ、竹谷くんは?」
勘右衛門『あぁ、八左ヱ門なら虫捕まえてたから置いてきた』
「え?」
さすが生物委員会とでも言っておくべきか…。すると直ぐに竹谷くんは帰ってきた。
八左ヱ門『勘右衛門〜!置いてくなよ〜…気づいたら居ないからビックリしただろ〜…』
息を大きく乱しながら扉から入ってくる。
勘右衛門『ごめんごめん。でも最初に居なくなったのは八左ヱ門だろ?』
八左ヱ門『え?そうだっけ?珍しい虫見つけたからさ〜ついつい』
「2人ともお疲れ様。お使いありがとうね。丁度いいからみんなで休憩にしよっか。お団子も買ってきてくれたし」
人数分のお茶を用意しようと湯呑みを取り出した。
茶釜に茶葉を入れ煮出していると、隣に雷蔵くん…だと思うが、立ってお手伝いしてくれる。
雷蔵『お団子はこのままでも大丈夫かな…それともお皿に移した方がいいかな…そのままだと行儀悪そうだし、お皿に移すと洗い物が増えるし…あぁもうどうしたらいいんだ!』
頭を抱え込んでいる雷蔵くん。
相変わらずの迷い癖に苦笑いを浮かべた。
「そんなに迷う必要ないよ。衛生面を考えたらお皿に移した方が良さそうだね。お皿はそれ使って良いよ、洗い物くらい別に大したこと…あ、つっ!」
雷蔵くんの方を向いて茶釜に手を伸ばしてしまい、熱くなった茶釜の胴の部分に手が触れてしまった。
反射的に手を引っ込めるもじんじんとする痛みが直ぐに襲ってきた。
茶釜の使い方にまだ慣れていないからしょっちゅうこういう事になる。
雷蔵『Aさん?!火傷したの?早く冷やさないと!』
私の反応を伺うより先に雷蔵くんは私の手を引くと、壷に溜めてある水に私の手を突っ込む。
「あ、あの…雷蔵くん私なら大丈夫だよ?火傷なんてしょっちゅうだからさ」
雷蔵『駄目だよ!火傷はきちんと処置しておかないと痕になるんだ。僕は医務室から薬をもらってくるからこのまま手を冷やしておくこと。分かった?』
いつになく真剣な彼の表情に頷くことしかできない私。
そして調理場を後にして医務室へと向かう雷蔵くん。
三郎『普段もこれくらい判断力があると良いんだけどな』
私と雷蔵くんのやり取りを見ていた三郎くんが片眉を下げ軽く溜め息をつきながらポツリと呟く。
他の3人も同じことを思っているようでうんうんと頷いていた。
一方の私は普段とは違う雷蔵くんの頼りがいのある行動にドギマギしていたのは内緒。
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りっか(プロフ) - 銀蘭さん» ありがとうございます!ありがとうございます!ここまでお読み下さって本当にありがとうございます( ´:ω:` )本音言うとコメントお待ちしておりました(笑)お褒めの言葉で胸がいっぱいです!これからもどうぞよろしくお願いいたします!! (2022年1月23日 12時) (レス) @page48 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
銀蘭(プロフ) - 読み切ってしまった…!!!。゚(゚´ω`゚)゚。すごく面白くて、幸せになります…!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月23日 9時) (レス) @page44 id: 24ba71a32a (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» ああああありがとうございます!!!!!!涙ちょちょ切れます!!!!初コメントでテンション爆上がりです😭😭これからも励みに頑張りますのでよろしくお願いいたします!! (2022年1月21日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです!! 更新頑張ってください! 応援してます (2022年1月21日 17時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りっか | 作成日時:2022年1月15日 9時