【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その４(春編)

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「それなら良かった。じゃあ、兵助くんは豆腐ハンバーグの下準備をお願いしてもいい？私は白あえと揚げ出し豆腐の下準備をするね」

兵助『分かった。終わったら声をかけるね』

「うん、よろしく。あ、あと、まだ豆腐ってある？出来ればまだ欲しいんだけど…」

兵助『もちろん、まだまだあるよ。でも他に何に使うんだい？』

「それは明日のお楽しみっ」

人差し指を口に当て「内緒」と言った。
頭に『？』を浮かべる兵助くんを他所に、白あえと揚げ出し豆腐の下準備を進める。
暫くして自分の作業を終えると、後ろで野菜やお肉、魚を切っている三郎くんと雷蔵くんに声をかけた。

「2人とも大丈夫そう？」

雷蔵『うん、なんとか出来てるよ』

三郎『出来てるけど…この、人参の飾り切りって必要なのか？』

「見栄えも良くなきゃ楽しくないでしょ？どれどれ見せて…三郎くんってちょっと不器用？」

雷蔵くんは大雑把というわりには器用に人参を梅の形や桜の形に切っているけど、三郎くんは花びらの部分が歪だったり、大きさが異なっていたりしていた。

三郎『に、苦手なんだよ…こういうのは』

少し口を尖らせてそっぽを向く三郎くんは年相応な感じがしてちょっとだけ可愛く見えた。

「へぇ〜変装は得意なのに手先使うのは苦手なんだ。なんだか意外」

小さく笑いながら彼をおちょくる。
そして三郎くんの隣に移動して、彼の持っている包丁を貸してもらいお手本を見せた。

「飾り切りって難しいもんね…例えば、五角形だとこことここに切り込み入れて…こうしてあげると綺麗になるよ。ほら、見てみて」

五角形にした人参を自分の顔の横に持ってきて笑いながら三郎くんに見せる。
すると、三郎くんは少しだけ目をぱちくりとさせた後、フイっと目線を私から逸らした。

三郎『っ、…分かった、やってみるよ』

そう言いながら、私から包丁を受け取ると教わった通りに切り込みを入れ五角形にしていく。…さすが、飲み込み早いなぁ。

「三郎くんさすがだね！無理はしない程度にこの調子で頑張ってね…っ、とと？」

三郎くんのを見届けたので作業に戻ろうと思ったら、不意に手首を掴まれ少しよろけた拍子に彼に寄りかかってしまった。

「えと…ど、どうしたの？」

相変わらず手首は掴まれたままなので、寄りかかったまま離れることが出来ない。異性と体が近いことに恥ずかしくなり、少しずつ頬が熱を帯びる。

三郎『…ご褒美は？』

「はへ？」

三郎『ほら、綺麗に切れたからご褒美は？』

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