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仙蔵『A』

「あ、仙蔵くん…」

今度は仙蔵くんが近付いてきて、私の髪に挿してある簪にそっと触れた。

仙蔵『大事にしてくれているのか』

「うん、もちろん!仙蔵くんが私に贈ってくれた大切な簪だもん」

少し照れくさいけど、挿してきて良かった。
仙蔵くんも心做しか嬉しそうに見える。
簪に触れていた手をそっと私の頬へと滑らせる。細く長い彼の綺麗な指と手に思わずドキッとした。

仙蔵『…とても綺麗だ、よく似合っている』

目を細め優しい笑みを浮かべる仙蔵くん。私の頬に添えられた手はとても優しくまるで壊れ物を扱うようだ。
ほんとこの人といると心臓もたないんですけど?!
恥ずかしくて彼に目を合わせられないでいると、不意に手首をグイッと引かれた。

喜八郎『立花先輩、僕の許可なしにAさんに触れないでもらえますか〜?』

喜八郎に手を引かれた私は彼にもたれ掛かるようになっている。
僕の許可無しにって…私いつ喜八郎のモノになったんだろう?

仙蔵『何故私が後輩のお前の許可を得ねばならんのだ?』

仙蔵くんは眉をひそめ、喜八郎が発した言葉に対しての疑問を述べた。
そんな仙蔵くんにも相変わらずのマイペースで淡々と喋る喜八郎の神経の図太さに感心してしまう。

喜八郎『何故って…そりゃあ、今日は僕がA先輩を独り占めする日ですから』

しかし次に聞こえてきた言葉はさすがに意味が分からないし聞いてもいない事だったので、思わず声を荒らげた。

「え?!何それ知らないんだけど?!」

喜八郎『今決めました』

何処までマイペースなんだよ!
そして周りが何やら不穏な空気が流れ始めたので、慌てて喜八郎から離れる。

「もー!せっかくのお花見なんだからみんなで楽しく過ごそうよ!…それに、頑張って作ったお弁当早くみんなに食べて欲しいな」

しゅんとしつつ私がその言葉を発した途端、今まで作業の手が止まっていたみんながテキパキと動き出しお花見の準備かあっという間に終わった。
やれば出来るのに何でしなかったのよ。

そんなこんなで、ようやくお花見スタートです!

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りっか(プロフ) - 銀蘭さん» ありがとうございます!ありがとうございます!ここまでお読み下さって本当にありがとうございます( ´:ω:` )本音言うとコメントお待ちしておりました(笑)お褒めの言葉で胸がいっぱいです!これからもどうぞよろしくお願いいたします!! (2022年1月23日 12時) (レス) @page48 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
銀蘭(プロフ) - 読み切ってしまった…!!!。゚(゚´ω`゚)゚。すごく面白くて、幸せになります…!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月23日 9時) (レス) @page44 id: 24ba71a32a (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» ああああありがとうございます!!!!!!涙ちょちょ切れます!!!!初コメントでテンション爆上がりです😭😭これからも励みに頑張りますのでよろしくお願いいたします!! (2022年1月21日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです!! 更新頑張ってください! 応援してます (2022年1月21日 17時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りっか | 作成日時:2022年1月15日 9時

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