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暫くして雷蔵くんが救急箱を持って帰ってきた。
私の手を手ぬぐいで優しく拭いて、塗り薬を塗って包帯を巻いてくれた。
些か大袈裟なような気がするけど…なんて思いながら左手を見つめる。
しかし彼の私を心配してくれた優しさには素直に嬉しいものがあった。

雷蔵『はい、これで大丈夫。包帯はきつくない?僕、保健委員じゃないから上手く出来ているか分からないけれど…やっぱり保健委員に任せた方が良かったかな…いやでも…』

「ははっ、もう…ありがとう、雷蔵くん。雷蔵くんの判断が早かったからこのくらいで済んだんだよ。自分の判断にもっと自信を持って」

私が火傷した時の判断力はどこへやら、またもや悩み出した彼に思わず笑ってしまった。
私は自分で言うのもなんだが自分のことになると結構無頓着なので怪我しても放ったらかしにしている事が多かった。
痕になるとか気にしたこと無かったけど…彼が私を気にしてくれているというだけで胸が温かくなる。

雷蔵『あ…いや、その…ど、どういたしまして』

照れたように笑う雷蔵くん。
すると、三郎くんが私と彼の間に入ってきた。

三郎『はいはい、二人の世界に入らない』

雷蔵『ふ、二人の世界になんか入ってないよ…!』

勘右衛門『何でもいいから早くお茶にしようよ〜』

八左ヱ門『…兵助もそんな顔してないで
行ってくれば?』

兵助『え?!なに?!俺どんな顔してた?!』

「あ、そ、そうだね!すぐにお茶淹れるね…」

雷蔵『だ、ダメ!Aさんはもう座ってていいから!僕がお茶を淹れるよ』

私がもう一度茶釜に手を伸ばそうとすると、雷蔵くんにそれを制された。
そして椅子へと誘導されそのまま座らせられる。
まぁ、確かに怪我しちゃったし無理は良くない…のかな?

「じゃあ…お言葉に甘えてお願いね」

雷蔵『うん、Aさんが痛い思いをするのは僕が嫌だからね』

何気なく発せられた言葉に思わず首を傾げる。
私も人が怪我をしているところを見るとお腹がひゅっとなる感じするけど…雷蔵くんもそうなのかな?

雷蔵『あ…いや、今のは僕だけじゃないと思うし!さ、三郎も兵助も嫌だよ!ね?!』

三郎『おいおい…私を巻き込むなよ…』

何故か慌てたように弁明する雷蔵くん。
それを見ていた尾浜くんと竹谷くんは肩を震わせて笑いを堪えていた。
何だかよく分からないけど、楽しそうな5年生だな。

その後、私たちは休憩を挟んで再び明日のお花見に備えて準備を再開したのであった。

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りっか(プロフ) - 銀蘭さん» ありがとうございます!ありがとうございます!ここまでお読み下さって本当にありがとうございます( ´:ω:` )本音言うとコメントお待ちしておりました(笑)お褒めの言葉で胸がいっぱいです!これからもどうぞよろしくお願いいたします!! (2022年1月23日 12時) (レス) @page48 id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
銀蘭(プロフ) - 読み切ってしまった…!!!。゚(゚´ω`゚)゚。すごく面白くて、幸せになります…!これからも応援してます!頑張ってください! (2022年1月23日 9時) (レス) @page44 id: 24ba71a32a (このIDを非表示/違反報告)
りっか(プロフ) - あいさん» ああああありがとうございます!!!!!!涙ちょちょ切れます!!!!初コメントでテンション爆上がりです😭😭これからも励みに頑張りますのでよろしくお願いいたします!! (2022年1月21日 20時) (レス) id: 0377dfb93e (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - これすっごく面白いです!! 更新頑張ってください! 応援してます (2022年1月21日 17時) (レス) id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りっか | 作成日時:2022年1月15日 9時

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