【忍たま】事務員兼何でもお助けピンチヒッター係って何だよ？！その17(夏編)

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鬼蜘蛛丸『残ったのは、どうやら我々だけのようですね。Aさんさえ差し支えなければ沖の方までご案内しますよ。泳いでみますか？』

その様子を見ていた鬼蜘蛛丸さんと義丸さんが近付いてきて声を掛けてくれた。
私達を気遣っての言葉に嬉しくなり心がぽかぽかと温かくなるのを感じた。

「えっと、お言葉に甘えても良いですか…？」

鬼蜘蛛丸『勿論です。私としても海の中に入っている方が楽なので…』

そう言いながら笑う鬼蜘蛛丸さん。
鬼蜘蛛丸さんも陸酔いするんだったっけ…大変だな。

「乱太郎くんたちも行く？」

乱太郎『私たちはスイカ割りの準備をしてくれているタカ丸さんたちを待ってるから、Aお姉ちゃん海に入って来て良いよ』

しんベヱ『ぼくも海で泳ぐよりスイカ割りの方が…じゅるり』

「そっか…じゃあやっぱり一緒に泳ぎたいな〜って思ったら教えてね」

乱太郎『うん！Aお姉ちゃん気を付けてね。鬼蜘蛛丸さん、義丸さんAお姉ちゃんをよろしくお願いします』

乱太郎くんの言葉に何だか私の方が年下みたいだなと思いながら苦笑いを浮かべる。

鬼蜘蛛丸『任されました。では、お手をどうぞ』

そう言って鬼蜘蛛丸さんは私に手を差し出してくれる。その手にそっと手を乗せるとふんわりと優しく包み込むように握ってくれた。
勘右衛門よりもゴツゴツとした一回り大きい彼の手に少しだけ胸の高鳴りが増すのを感じる。

鬼蜘蛛丸『足が届く所までは歩いて行きましょう。その後は私にしっかりと掴まって下さい(それにしても小さい手だな…強く握ると折れてしまいそうだ)』

「は〜い」

私に合わせてゆっくりと歩みを進めてくれる鬼蜘蛛丸さんの横で海水の冷たさを1人感じていた。
透き通った海は太陽の光が反射してキラキラと輝いている。砂浜も白く、絵に描いたような海だ。

義丸『下ばかり向いて歩いていると危ないぞ』

投げ掛けられた言葉にハッと顔を上げると、義丸さんが優しい眼差しで私を見つめていた。

義丸『綺麗な海に見惚れるのも分かるけどな』

「あ…はい。本当にここの海って綺麗ですよね。見ているだけで心が洗われます」

すると義丸さんは少し考える素振りを見せたあと、口角を上げてみせた。

義丸『ま、俺はAの方が綺麗だと思うが…そこんところはどう思う？』

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